DSC EXPRESS
Vol.158

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  • 「デジタルサイネージアワード2024」受賞作品から読み解くサイネージのトレンド

    【写真:デジタルサイネージアワード2024受賞式/DSCサイトより】

    「デジタルサイネージアワード2024」受賞作品から読み解くサイネージのトレンド

    6月12日(水)、デジタルサイネージジャパン2024会場(幕張メッセ)にて、今年も「デジタルサイネージアワード」受賞作品の発表がありました。デジタルサイネージを対象とした国内唯一のこのアワードでは、毎年、サイネージの秀逸な展開事例が紹介されていますが、今年の受賞作品を改めて見ていきましょう。

     デジタルサイネージアワードはDSCが主催し、前年の1月から当年5月までに展開された様々なジャンルのデジタルサイネージから優秀な作品を選出・表彰することでサイネージ市場をさらに活性化していくことを目指したものである。応募部門は「交通」、「屋外大型ビジョン」、「広告/クリエイティブ」、「飲食/リテール」、「UX/インタラクティブ」、「ホスピタリティ/ソーシャル」、「イベント」、「オフィス」、「エンターテインメント」、「XR(クロスリアリティ)」と多岐にわたっているが、今年は昨今のトレンドも踏まえて「XR」部門が追加されたこともトピックスとなった。

     グランプリの受賞は「東京ドームシティビジョンズ」。施設エリア各所に異なるサイズや形状のLEDディスプレイをロケーションに合わせて設置した事例で、従来のサイネージが「点」で訴求する展開が主流であったのに対して、「面」で展開した事例である。大型かつ複数のサイネージが提供する体験価値や世界観はこのように面で展開されることによって、その効果を更に高めていると言える。特にエンタメ施設では様々なコンテンツで来場者の気分を盛り上げるサイネージの特性が効果的に発揮されている。この東京ドームシティビジョンズでは本来の環境演出用途に加えて、広告販売や災害発生時の情報提供等、多目的な活用を実現していることも注目すべきポイントである。

     グランプリ以外の優秀賞の各作品もエレベーターをイマーシブ空間にしたもの、広大な天井をディスプレイにしたもの、生成AIを活用したもの、ギネスに登録されたプロジェクションマッピング等々、極めて多彩である。スペースの関係で全てをご紹介できないが、是非、DSCサイトで各受賞作品をチェックしていただきたい。またDSCサイトには過去のアワード受賞作品もアーカイブされているので、過去~現在のテクノロジーの変遷やロケーション・用途の広がりも見てとることができる。

     やはり昨今のサイネージのキーワードとしては「液晶からLEDへのシフト」、「イマーシブな空間創出」、「効果の可視化」などが挙げられるだろう。サイネージの設置ロケーションはデバイスの進化に呼応して年々、着実に広がっているし、その用途も社会課題の解決やXR連携等、間口を広げつつ社会に浸透している。

     サイネージの知見を深めるには「現地で体験してみること」がとても大切だ。今年や過去のアワード受賞作品で気になるものがあったら是非、現地でじっくりとご覧いただきたい。関係者がそれぞれの作品に注いだ熱意と工夫が実感できるはずだ。(T.Y.)

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