DSC EXPRESS
Vol.051

DSC EXPRESS Vol.051をお届けします。
毎月5日、15日、25日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

  • デジタルサイネージアワード受賞作品発表!

    デジタルサイネージアワード2021 受賞作品発表!

    2021年7月3日(土)に東京ポートシティ竹芝で開催された行われた「ちょっと先の面白い未来 CHANGE TOMORROW」にて、デジタルサイネージアワード2021の受賞作品が発表されました。こちらのリンクよりご確認下さい。今年も沢山のご応募、ありがとうございました。
    また、発表会後に実施致しました、審査員によるパネルディスカッション「ここがすごい、デジタルサイネージアワード2021受賞作品を語る」のアーカイブ動画もご覧頂けます。ぜひアワード受賞作費発表ページよりご覧下さい。

  • アフターコロナを前にデジタル化がもたらすマクドナルドの未来

    コロナ禍で学んだ
    タッチパネル式デジタルサイネージのあり方

    JR西日本の主要駅に設置されている、タッチパネル式デジタルサイネージ。効果的に情報を表示してきたが、コロナ禍により今まで発生しなかった運用等の問題点が生じるようになった。その問題点と、どのように対処したのかをご紹介しよう。

     JR西日本の主要駅にはタッチパネル式デジタルサイネージが設置されている。これは2012年1月にJR京都線茨木駅に初めて設置されたもので、現在64駅89台の設置規模となっている。設置及び運営管理は筆者の所属している㈱JR西日本コミュニケーションズで行っている。
     このデジタルサイネージは、利用者のタッチボタン操作により、利用者が必要とする情報が表示できることと、表示データベースを基本的にWEBと共用しているため、設置駅の特性にあわせたコンテンツも容易に表示できることが特徴である。基本情報としてJRの時刻表、駅構内図、路線図、周辺地図、列車運行情報を表示しており、周辺地図と列車運行情報は多言語(英語、中国語繁体字、中国語簡体字、韓国語)での情報提供も行っている。また利用者がタッチパネルを操作していない時間帯には、広告等の放映を行っている。
     コロナの感染が拡大するまでは、様々な情報を集約して効果的に表示できるメリットが着目され、運用上の問題はほとんどなかったと言える状況であった。しかしながらコロナの感染が拡大したことにより、大きな運用上の問題点が2点生じることになった。今回はこれらの問題点とどのように対処したかについてご紹介したい。

     1点目はタッチパネル表面への抗ウィルス抗菌フィルムの貼り付けである。飛沫感染とともに、接触感染がコロナウィルスへの感染要因になると評されるようになり、不特定多数の利用者が使用するタッチパネルについて何らかの対応が求められる状況になった。しかしながらタッチパネルを操作しなければ利用者が設置場所にフィットした有益な情報を検索することができないため、タッチパネルの表面に抗ウィルス抗菌フィルムを貼り付けて対応することにした。具体的には利用者の多い51駅67台を対象に、駅構内等の清掃や修繕工事を担当しているJR西日本のグループ会社である㈱JR西日本メンテックに委託して実施した。この対応によりフィルム表面のウィルスを99.99%減少した効果を10年相当持続することができ、安心して利用できる環境を整えることができた。
    取り組みの詳細については以下画像をご覧いただきたい。(JR西日本メンテック社内誌記事より引用)


     2点目は緊急事態宣言の発出等による鉄道のダイヤ変更への対応である。JRの時刻表はJR西日本のWEBサイト「おでかけネット」の表示データを反映させる仕組みであるが、この時刻表がダイヤ変更にリアルに対応しないという想定外の事態に遭遇した。また一部の駅ではJRとの接続交通機関の時刻表を表示しているが、これについても減便等のダイヤ変更に対応していないことが判明した。デジタル時刻表は業界全体ではまだ普及していないため、いわば固定の時刻表の上に注意喚起の紙を貼ればいいとの発想からどの事業者も抜け出せていないのである。これに対してはWEB上の時刻変更に関するお知らせコメントをサイネージ上に表示させる加工を急遽実施し、対応した。


      昨今MaaSやDXの取り組み深度化により、公共交通においても情報のデジタル化の推進が求められている。しかしながら時刻表等の基幹情報がリアルデータを反映できていない現状を鑑みると、これらの取り組み推進の障害ともなりかねない。今回の経験をもとに、基幹情報のリアルデータによる管理がデジタル施策の推進には必須であると、時機を見て関係各所に働きかけていくつもりである。(K.T)

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