DSC EXPRESS
Vol.030

DSC EXPRESS Vol.030をお届けします。
毎月15日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

  • デジタルサイネージアワード2020に見る今後のトレンド

    デジタルサイネージアワード2020に見る今後のトレンド

    デジタルサイネージアワード2020が今年も発表された。入賞した事例以外の応募時例も含めて、今年の傾向をまとめてみたいと思う。今年の全体傾向は順不同で次の3つに集約される。
    ・インパクトのある大画面
    ・ダイナミックDOOH
    ・AIの活用
    大画面に関してはオリパラに向けた準備と、LEDディッスプレイの高解像度化、高輝度化、低廉化によるものだ。ロケーションに最適化された表示環境を用意するコストが低下し、同時にそういった場面においては必ずしも画角が16:9である必要はないので、特殊化解像度を含めた映像制作環境も整ってきたことによる。こうした特例的なロケーションが、サーキュレーションの大きなロケーションに導入されたということである。
    あとの2つ、ダイナミックDOOHとAIの活用については、パンデミックによってステイホームにおけるデジタルアウトオブホームメディアの意味が問われ、導入が加速されたのがその背景だ。その上で、表示内容をダイナミックに可変できること、あるいは他媒体も含めたメディアプランニングを行う際に、広告主からデジタルサイネージがおいてけぼり扱いをされないためプログラマティックな媒体になることが進みつつある。更に進んでインプレッションベースな媒体も徐々に登場し始めている。これらはサーキュレーションベースなレガシーなデジタルサイネージメディアやロケーションに引っ張られて、日本では欧米やアジアに比較して圧倒的に周回遅れになってしまった分野である。そういう意味で、交通広告や屋外広告で徐々にこうしたチャレンジが始まっていることは今後に期待が持てる。またパンデミック対応として、タッチパネルが忌み嫌われる中、三密回避というソリューションのニーズが性急に求められた結果である。
    こうした2つの背景には、AIによるセンシングが容易になりつつあることがあり、景気の先行きが不透明な中でのデジタルサイネージ業界において、市場拡大できる数少ない分野である、ということになる。(Y.E.)
    デジタルサイネージアワードの特設ページはこちらから

  • みなとみらい「ニッサン パビリオン」のサイネージが提供する体験価値

    みなとみらい「ニッサン パビリオン」のサイネージが提供する
    体験価値

    2020年8月1日から10月23日まで日産自動車(株)は横浜みなとみらいの特設会場にて、比較的長期間にわたって体験型エンタテインメント施設「ニッサン パビリオン」を展開した。これは同社が描くモビリティの未来をさまざまなコンテンツを通して無料で体験できる施設で、先進技術がもたらす未来を、クルマだけではなくショーやゲーム、食などインタラクティブなかたちで展示したものである。
    エントランスで検温と手指消毒、感染検知アプリの登録を済ませて入場すると館内にはもちろん日産の新しいクロスオーバーEV「アリア」の実車も複数台展示されていたが、展示テーマとしては「THE THEATER」、「THE LIFE」、「THE CITY」として3つのコンテンツが展開されている。なかでも一番の目玉は幅32mの湾曲した巨大なスクリーンに様々なコンテンツを投影する「THE THEATER」で、圧倒的に臨場感・没入感の高い映像が体験できる。目の前いっぱいに広がるCGとともに、一部の座席では床にソニーのハプティクス技術(触覚提示技術)を搭載し、音響効果と合わせて「ニッサン フォーミュラ E」の圧倒的なスピードと電気の走りが展開される。また見えないものを可視化するニッサンのI2V(インビジブル・トゥー・ビジブル)技術を駆使して、投影された大坂なおみ選手とバーチャルテニスができるインタラクティブコーナーも盛況であった。誌面の関係で多くを紹介できないが、「THE LIFE」ゾーンではクリエイティブ集団WOWが演出・制作を手がけたインスタレーションも公開された。なお「ニッサン パビリオン」で展開された各コンテンツはオフィシャルサイトでチェックすることができる。
    昨今のコロナ禍が続く環境下でこのようなリアルイベントについては、なかなか集客に苦戦しているケースが多いが、そのぶん少人数で落ち着いて参加できることもメリットである。感染拡大防止を意識しつつ、様々なリアルイベントでのサイネージ活用事例も体験していただきたい。(T.Y.)
    【オフィシャルサイト】
    https://www.nissan.co.jp/BRAND/PAVILION/

  • デジタルサイネージ
    NEWS解説

    累計制作本数2,500本を超えるビデオリリース実績を持つNewsTV デジタルガレージのデジタルサイネージメディア『サキザキテルコ』との共同パッケージの提供を開始 記事元:PRTIMES 11月4日

    サキザキテルコは、株式会社デジタルガレージが提供する全国のヘアサロンに設置されたデジタルサイネージメディアです。2021年3月末までに全国約3,000店の美容サロンに18,000台を設置し、⽉間リーチ数は約180万⼈を予定しています。サイネージ機器にお客様の着座確認による有効再生数を計測する機能を搭載しており、空席での再生数は有効再生として含めず、コンテンツや広告ごとの視聴状況をレポート可能です。

    今回は、株式会社NewsTVの「ビデオリリース」と株式会社デジタルガレージの「サキザキテルコ」 との共同パッケージについて紹介したい。デジタルサイネージ広告におけるターゲットセグメントの好例である。
    株式会社NewsTV「ビデオリリース」は企業のPRイベントや新商品情報などの動画コンテンツを無料で制作し、独自の配信プラットフォームやSNSを利用して、セグメントされたターゲットに直接配信するサービスである。一方、株式会社デジタルガレージの「サキザキテルコ」はオリジナルキャラクターも登場するパーソナル・サイネージメディアだ。設置先がヘアサロンに特化されており、美容・ファッション・食など様々な情報を配信している。
    本パッケージは、NewsTVが制作した「ビデオリリース」が「サキザキテルコ」での配信に加え、Instagramでも配信されるといったものである。
    ヘアサロンは女性ユーザーが中心であるため、女性向けの商材・サービスをPRしたい企業にとっては魅力的な配信先となる。特定の位置(席)への滞在時間も長く、配信されるコンテンツも視聴されやすい。また、「サキザキテルコ」のオリジナルキャラクターのおかげで、コンテンツそのものの魅力向上も期待ができる。
    コンテンツをより意図したターゲットに届ける事が可能になることで、これまでの「ビデオリリース」のサービスに新たな付加価値が加わることは、同社にとってはとても大きなメリットとなるであろう。
    真新しいコンテンツやサービスだけではなく、こうした既存のコラボレーションによって生まれるサービスにも是非注目したいところだ。私の通うヘアサロンにも「サキザキテルコ」が導入されていればと思った次第である。(K.S.)

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