日本は自販機もガラパゴス?ゴールド販売や地域貢献型も
全国に520万6850台ある自動販売機。2010年の売上高は約5兆4200億円であった。アメリカの2009年度の売上げは約4兆円といわれており、いかに我々の生活と自動販売機が密接な関係にあるのかがうかがえる。
さらに注目したいのがオリジナリティー。日本では、個性的な商品の販売やさまざまな付加価値を持った自動販売機が続々と誕生している。
昨年バナナが話題となった東京では、今年は金(ゴールド)の自動販売機が登場した。手がけるのはスペースインターナショナル(東京)。同社の本社エントランスに設置された自動販売機では、その日の相場で保証書付きの純金が1グラムから購入ができる。ゆくゆくは全国展開も視野に入れているようだ。
また銚子電鉄(千葉県)の各駅に設置された自動販売機は、列車運行状況や沿線の情報告知の役目を担っている。これは利根コカ・コーラボトリング(千葉県)が展開する地域貢献型自動販売機といわれるもの。情報はインターネット経由で配信し、自動販売機のディスプレイに表示する技術、デジタルサイネージを応用している。
そのほかにも、AED(自動体外式除細動器)がセットになった自動販売機も見かけるようになった。これは、普及が急がれるAEDの格好の設置場所として、どこにでもあり、しかも目立つ自動販売機がうってつけという理由からのようだ。
東日本大震災時には、災害ベンダーとして機能した自動販売機も、その後の首都圏電力不足を受けて飛び出した石原都知事発言で、一転して批判の矢面に立たされた。しかし、業界団体である日本自動販売機工業会は、「全国に設置された飲料関連の自動販売機は、すべて電力消費状況にあわせて運転を自動制御するエコベンダーに変更済み」と反論する。しかもこの取り組みは、1995年から始められていたという。
普段何気なく利用している自動販売機。その個性化と進化の度合いは、我々の想像を遥かに超えたスピードで進んでいるようだ。
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