DSC EXPRESS
Vol.176

DSC EXPRESS Vol.176をお届けします。
毎月5日、15日、25日発行です。どうぞ宜しくお願いいたします。

  • 21世紀の最初の四半世紀が終わる

    21世紀の最初の四半世紀が終わる

    いよいよ2025年、21世紀の最初の四半世紀が終わる。21世紀の世界はあまりにも衝撃的で象徴的な事件で始まり、世界中の諸問題がこれでもかという勢いでクローズアップされながら25年が過ぎようとしている。そんな世界でデジタルサイネージはどこに向かって行くのだろう。

     ひるがえって2001年頃のデジタルサイネージ。新宿・渋谷や道頓堀のデジタルサイネージは一部の街頭ビジョンを除けば地味で動かなかったし、今や巨大で華やかなサイネージが並びドローンが飛び交う深センだってあんな大ハイテク都市ではなかったし、街のサイネージの先駆けと言えるマンハッタンのタイムズスクエアだって2001年頃の写真を見ると驚くほどおとなしい。

     街の見た目を、こんなに短期間にこんなに激しく変えてしまったデジタルサイネージのパワーは、おそるべきものがあるが、これからのデジタルサイネージに期待したいことを、昨年見た事例などから書き起こしてみたい。(あくまで筆者の私感です。)

    1) 街を美しく
     これは、もはや整理不能なエリアもあるものの、新しいデジタルサイネージ群のデザイン企画や出稿審査の力もあって、少しずつ調整され、自然浄化されていっている。そして、日本の都会の風景としての個性を作りつつあるので、ここは楽観視しながら見守ろうと思っている。作りかけた街を放り出すようなことは、日本にはできないはず・・と信じている。

    2) 街の人々の主体によるデザインに期待する
     昨年本格始動した事例でいうと、新宿の歌舞伎町、渋谷サクラステージ、札幌のデジタル室内公園"BiVi Park"など、「私たちの街のサイネージ」という気持ちを持ち続けられる人たちがデザインや機能を主導できるデジタルサイネージに、期待したい。今後、そういうサイネージ群は増えていくような気がする。維持するためには、予算も気持ちも必要なのである。

    3) 人が快適に暮らしていくための機能を追求したサイネージを増やす
     デジタルサイネージは、いろいろな機能を持つことができるのだが、ここはなかなか進化していない。実験レベルで終わってしまいがちである。これも、誰が主体になって行くかにかかっていて、企業が存続を賭けるサービスの中から長く残るものが。残る・・かもしれない。

    4) デジタルサイネージデバイドを受け入れる
     美しい自然があふれているところにデジタルサイネージが無いことを、心地よく感じられるようにする。そのためには、デジタルサイネージらしく見えない機能が、そこかしこにひっそり埋め込まれている必要があるのかもしれない。

    (Y.K.)

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