大阪の名物、通天閣の屋外看板がサイネージに
5、6年ごとにライトアップの機材入替えのリニューアルをしている通天閣。
昨年より14回目の化粧替えに向け完全消灯し、リニューアル工事が行われており、9月22日にライトアップが再点灯するそうだ。今回の大きなリニューアルについて紹介したい。
調べると今の通天閣は二代目だそう(1956年完成)。筆者は大阪出身なのだが、通天閣というと塔建物とセットで日立の屋外看板が思い浮かぶ。塔の側面のスペースを大きく使ったネオンサインの文字広告が否応なしに目に入る。時代の移り変わりで、表示される文字が変わっても、ネオン管がLED照明に変わっても、看板を含めて大阪の名物建造物であり、有り様が不動・不変で、大阪人に愛され続けている存在と言っても大げさではないと思う。日立製作所は二代目通天閣となってから67年間も広告主のようだが、広告効果は計り知れないと思う。
さて、今回のリニューアルは、今までとは少し趣が違うようだ。観光客など通行量が多い南側のサインを、LEDサイネージビジョンに置き換えるそうだ。これにより、省エネ・長寿命で環境負荷を下げ、固定だった広告スペースを必要に応じて変化させる事が可能となる。多言語での表示はもちろん、時間での表示、緊急時の表示など、あのスペースで様々なメッセージを発信していくことが予想できる。観光分野や地域において、新たな通天閣の価値が生まれるのではないだろうか。
LEDビジョンの大きさは高さ約32メートル、横幅約3メートルもあるようで、縦に長いLEDビジョンとしては日本最大級ではないだろうか。コンテンツ制作に従事している筆者は、縦長を利用したものすごいアニメーションが出来そうだなどと思ってしまうが、通天閣は公道上の建築物のため、デジタルサイネージでの動きの激しいアニメーションなどの表示は制限されるらしい。少し残念でもあるが、不動・不変の佇まいを守れる制限だとも思う。
通天閣はまだコロナ禍であった2022年5月に3階の中間展望台から地下1階まで滑り降りる全長60メートル滑り台「タワースライダー」をオープンさせた。そして今年は巨大なサイネージを導入。変わりゆくユーザーに合わせてのことだろうが、その変化と、大阪らしさを感じる発想に「通天閣、絶対行かなあかんやつやな」と考えている。
9月22日の点灯式はYoutube配信もされるらしい。(A.J.)
【参考サイト】
■通天閣日立屋外広告看板点灯式