小売業界のDX!
センシングデータ連携しているデジタルサイネージ
コロナ禍におけるステイホームの呼びかけに比例するように、小売業の業績が堅調だ。そこには、社会環境の変化やデジタル技術の進化に伴う、小売業の大きな変革が関係している。
「DX」という言葉が世の中に浸透し始め、デジタルサイネージを含めたDX化を推進するサービスが急増している。DXは様々な業界に影響を与え、小売業も例外ではない。
感染症拡大による人との接触回避により、ネット通販やフードデリバリーが急速に普及した。リアル店舗は存在意義を問われ、ただ買い物に行くだけの場所ではなく、「楽しさ」や「発見」を提供でき、また人とのつながりを確認できる場としての役割を担う必要が生まれてきている。
そんな中、店舗におけるデジタルサイネージの活用方法にも変化が見受けられる。
従来サイネージの設置で検討されていた「表示面の向きや大きさ、ロケーション、機器の選定」などに加え、最近では、店舗の棚や内装に合わせたオリジナルの什器を製作し、空間の一部としてサイネージを設置しているケースを見かけることが多くなった。
さらに、ユーザーの購買導線や行動データを踏まえた売り場、空間づくりにも活用されている。顔認識センサーやタッチセンサー、AIカメラ、RFID、beaconなどと連携することで、人々の属性の把握や行動データ分析が行えるため、ユーザーに合わせたコンテンツをサイネージで表示するとともに、属性に合せた広告配信などで収益化しているケースも目立つ。また、ニューノーマル時代に必要とされる、店内の混雑度把握も可能になるため、ユーザーに安心・安全を提供することもできるのだ。
リアルとデジタルを融合することで、人々の生活がより豊かになる。
そして、デジタル技術の進化と共にサイネージのメディア価値も高まっていき、成長していく。その変革の中心にデジタルサイネージが存在しているのは間違いないのではないか。(T.W.)