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Vol.055

DSC EXPRESS Vol.055をお届けします。
毎月5日、15日、25日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

  • 東京オリンピック開会式で金メダル級の活躍をしたドローンサイネージ参照:オリンピック公式Twitterより

    東京オリンピック開会式で金メダル級の活躍をした
    ドローンサイネージ

    東京オリンピック開会式で「ドローン・ライト・ショー」が行われた。業界関係者なら既知のことだと思うが、多くの一般の人たちにとっては”未知との遭遇“だったようで驚きと感動を呼んだ。実施ハードルは高いがビジネスとしての可能性も高くなったのではないだろうか。

     2021年7月23日、東京オリンピック開会式をNHK総合が生中継した番組の平均世帯視聴率は関東地区56.4%、関西地区49.6%で、リアルタイム視聴人数は約7326.8万人(出所:ビデオリサーチ)、全世界では6億人(出所:国際オリンピック委員会)にもなったという。多くの人々に見られ、さまざまなパフォーマンスが話題となったが、その中でも光り輝くドローンたちが地球の形で東京の夜空を彩ったものがひときわ輝いていたのではないだろうか。
     1824台ものドローンが地上から遠隔操作され、本体に搭載されたLEDによって模様を描き出した「ドローン・ライト・ショー」だが、集積したドローンが表示装置となり「ドローンサイネージ」とも呼んでもいいだろう。
     注目したのは、これらを見た人々の反応だ。SNSには「これはもうすごいとしか言いようがない」「こんなにも素晴らしい演出をしてくれて…感動しました」「CGだと思ったからこれはホント驚いた ドローン隊列格好いい」「とても綺麗でした。キラキラ地球に変わるところがジーンときました」「この演出が1番感動したかも」「たくさんの人々の思いがカタチになって表れたようです。素晴らしかった」など、多くの人たちにとっては言わば”未知との遭遇“だったようで驚きと感動を与えていた。
     公式Twitterの中には、4万4千件以上のいいねが集まり、1万2千件以上リツイートされたものもある。


     実は安全上の観点からドローンを飛ばすことは簡単ではない。現行の航空法によって単体でも「人口集中地区」、「夜間」、「多数の人の集まる上空」などでは規制されており飛ばせない。「関係者以外の人または物件との間での30m以上の距離の確保」や「ドローンを目視」できない場合もNGだ。安全性を確保し、許可を受けた場合は可能となるのだが、かなりハードルは高いと言えるだろう。ドローン自体の性能や操作技術の高さ、さらに天候や風速などの気象条件も影響する。
     今回実施したのは、大会のワールドワイド・パートナーでもあるインテルのプロジェクトチームだったが、そのデジタル技術は非常に優れている。ドローンにはGPSとAIが搭載されており、突発的な強風などで当初の飛行ルートから外れた場合は、自動的に天候を考慮した飛行ルートに切り替えたり、位置補正技術で機体同士の衝突を回避したりするなど安全性能が高い。様々な困難のハードルを乗り越えて実施され感動を呼んだ「ドローンサイネージ」は、金メダル級の活躍だったと言えるだろう。(K.Y.)

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