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Vol.045

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毎月5日、15日、25日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

  • 福岡のOOH事情

    福岡のOOH事情

    新型コロナウイルス第4波の勢いが止まらない。変異ウイルスが拡大していく中で今月12日からは福岡県も緊急事態宣言エリアに追加指定された。今回はそんなOOH苦境の中ではあるが、福岡の特徴的なデジタルサイネージをいくつかご紹介したい。

    福岡市には人々が集まる2大拠点として天神エリアと博多エリアがある。その両エリアで新たな空間と雇用を創出する再開発が始まっている。天神ビッグバンと博多コネクティッドだ。ビルの容積率と航空法による高さ制限が期間限定で緩和されており、10年間で天神エリアは30棟、博多エリアは20棟以上の建て替えを目指している。コロナ渦の中、そんなスクラップアンドビルド真っ最中の福岡にある特徴的なデジタルサイネージをご紹介する。
    天神エリアでは、西鉄福岡(天神)駅の「デジタルロングボード」。60インチ液晶モニターを7連構成にし、10箇所に配置したその面積の合計は、70㎡を超えている。同一空間でのディスプレイ面積だけで見ると、西日本では大阪メトロ梅田駅の「梅田メトロビジョン」に次ぐスケールではないだろうか。この媒体を使って福岡県が1月に放映した新型コロナ対策コンテンツがSNSで話題となったことは、記憶に新しい(画像参照)。この媒体は、基本は年間契約媒体であり、短期媒体としての利用は年間10クールに限られているため、ある意味希少媒体になっている。
    博多エリアでは、JR九州の博多駅にある330インチのデジタルサイネージ「FINE-VISION J!」。導入後3年経つが、国内初の大型有機ELで曲面型のマルチ構成になっており、数ある博多駅のデジタルサイネージの中でもシンボリックな存在だ。

    ところで、福岡市内の移動手段に限って言うと路線バスが地下鉄と同程度利用されているということをご存じだろうか。福岡市は、バス停間の距離が短くバスの利便性が高いのが特徴だが、そんなバス車内のデジタル媒体として「Fukuoka Bus Vision」がある。まだまだメディアとしてのボリューム感は不足しているが、福岡市民に一番近いメディアになる可能性を秘めている。将来、タクシー車内のデジタルサイネージと競合になるのか共存で行くのかが気がかりではあるが・・・。
    今後、再開発が進めば、駅はもとより商業施設や車両にもデジタルサイネージの普及が進むのは間違いない。(天神は2024〜2026年、博多は2028年までに再開発事業が完了予定)
    すぐ目の前の未来ではあるが、再開発終了後の福岡の街は、メジャメントをベースにした新しいOOHメディアが出現しているかもしれない。(K.O)

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