DSC EXPRESS Vol.035をお届けします。 毎月5日、15日、25日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。
屋外に設置されている情報提供デジタルサイネージには周辺地図が組み込まれている場合が多い。多言語対応もデフォルトになりつつある。地図は、道案内にも災害時の避難にも役立つはず。観光客向けだけと思わずに、地元のデジタルサイネージを使ってみよう。
写真は、2020年6月に山手線原宿駅(東京メトロ明治神宮前駅)付近で撮影したものである。原宿駅が2020年3月に新駅舎に生まれ変わったものの、その後に4月~5月の緊急事態宣言がありやっと見学に行ってみると、このデジタルサイネージもその少し前に駅前広場に設置されていた。 このタイプの屋外サイネージは、東京都と公益財団法人東京観光財団が、「2020年に向けた実行プラン」の一環として2016年から設置しているもので、サイネージ2面が左右セットになっており、現時点で都内40か所にある。屋外設置に十分耐えるハードウエア(温度対策、風雨対策、高輝度画面)で、動画も流せるし、Free Wi-Fiスポットにもなっている。災害時にはNHK放送に切り替えることもでき、停電時のバッテリーも当初の1時間対応から6時間対応に変えつつある。ほぼ文句なしの高級機だ。 機器の全体イメージや設置場所の一覧は、東京観光財団のプレスリリースなどを参照いただくとして、歩道や公園に設置されている設備としてはけっこう大きいし40台もあるんだから、皆さんもご覧になったことがあるでしょう・・と言いたいところだけれど、むやみに広い東京では案外見つからないのと(設置場所の問題もある)、どうしても「外国人観光客向け」に見えてしまうので、利用者目線で使ったことがある読者はごく少ないのではないかと思う。 だが、上述のようにこのデジタルサイネージは災害時対応も想定されており、明日かもしれない発災時には災害情報が表示されることになった。 また、いつの日か、デジタルサイネージの地図を観光客と一緒に眺めながら道案内ができるかもしれない。「東郷神社はどちらへ向かえば良いですか?」と尋ねられたら、デジタルサイネージの出番である。 そんな日に備えて、上例のサイネージに限らず、日本のどこかで周辺情報案内デジタルサイネージを見付けたらぜひ操作してみていただきたい。 いうまでもなく、デジタルサイネージはハードとソフトがそろって初めて100%の能力を発揮するのだが、ソフトウエアは設置後も改良しやすいので、つい後回しになりやすい。地図の向きもしかり。設置されたら完了ではなく、使ってみた人からのフィードバックが必須なのだ。(Y.K.)