DSC EXPRESS
Vol.032

DSC EXPRESS Vol.032をお届けします。
今号からリニューアル!毎月5日、15日、25日発行になります。どうぞ宜しくお願い致します。

  • 2021年の展望、ではなく希望。

    2021年の展望、ではなく希望。

    2021年はデジタルサイネージも含めたOOHが真価を問われることになります。オンラインでのコミュニケーションが主体になればなるほど、オフラインのそれの価値が増していくことになり、そこにOOHがはまることができるか。年頭の所感、ではなく希望を、危機感を持ってまとめました。

    2021年のポイントは2つだ。
    ひとつはデジタルサイネージのメディア接触、メディア価値を改めて内外に対して提示する必要があること。それは媒体としての再定義と言っても過言ではない。いつまでも「牧歌的な指標」ばかりを提示していてももう通用はしない。これだけの人、こんな人が見たということを具体的に示さないと、ステイホームにおけるアウトオブホームメディアがプランニングの俎上に載ることすらなくなる。かつてはそれを提示することは不可能であったが、現在では、あるいは今後はさらにそれに対して答えることが容易になるからだ。できない理由を並べることはもう許されないし、できないということであれば5年(3年かも)くらいかけてここから退場願うしかない。

    こうした目的のために年明けにOOHのメジャメントに関してのガイドラインをDSCで公開する予定だ。これはあくまでもスタートであり、デジタルサイネージを利用する人と(特に広告主)、デジタルサイネージを提供する人(システムベンダー、メーカー、ロケーションオーナー、メディアオーナー)双方で精査していくことになるだろう。

    もうひとつは大画面への対応だ。当面は価格が低下したLEDでの利用になる。現状では100インチを超えた場合からLEDの解像度(=ドットピッチ)が現実的になる。これは数年かけて進む、さらなる高精細化によって加速し、巨大な壁面の多くがメディア化していくことになるだろう。海外事例のとおり、LCDマルチ画面はべゼルが嫌われていくことになるに違いない。また大画面は景観議論も予想されるので、景観を創造することも含めた検討が必要だ。

    2021年もマーケットの劇的な変化あるいは回復というのは望めないと見るべきだ。生活者の意思によらない数少ないメディアとして、デジタルサイネージも含めたOOHメディアは、その特性を活かし、同時にその傲慢さも意識しながら、暮らしの中に溶け込む作業を継続していきたい。これが2021年の展望ではなく強い希望である。(Y.E.)

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