DSC EXPRESS
Vol.027

DSC EXPRESS Vol.027をお届けします。
毎月15日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

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     INFORMATION

    デジタルサイネージアワード2020作品募集開始!

    デジタルサイネージアワード2020作品募集中!

    今年もデジタルサイネージアワード2020を開催致します。デジタルサイネージアワードは、(一社)デジタルサイネージコンソーシアムが主催し、公募したデジタルサイネージ作品の中から優秀な作品を選出・表彰することでデジタルサイネージ市場をさらに活性化していくことを目指すものです。
    今年はWEB上での開催です。また、新たに応募部門を設け部門ごとのエントリーとしていますので、要項をご確認のうえふるってご応募ください。
    詳細はこちらをご覧下さい。

  • 関東初 TRIALのスマートショッピングカート

    関東初 TRIALのスマートショッピングカート

    TRIALが関東で初めてのスマートショッピングカートをスーパーセンタートライアル長沼店に導入したので、福岡に続いて体験してきた。
    福岡のときに比較するとタブレットの画面サイズが大きくなっているようにも思える。福岡では使用している人はさほど多くなく、シニア層は殆ど使っていなかったが、この日の長沼店では世代に関係なく、半分以上の人が利用していた。
    セルフレジがカートに付いているのと同じことで、商品を選びながらスキャンしてカゴに入れていく。これによって買い物途中でその時点の合計金額やプリペイドカードの残高が同時に分かる。これは店側からすると売上を減らす方向に作用する可能性もある。しかし、これについて別のスーパーの経営者と話したところ、おそらく客単価の減少を危惧するよりは、顧客の安心感など、顧客の側に立った方が良いという判断だろうという評価をしていた。目先のアップセルだけに固執していないのだ。
    だが、まったくアップセルをしていないわけではない。クーポンが増量されている商品や、買い忘れ、関連するおすすめ商品などをしっかりディスプレイに表示している。刺し身を買った時に「わさびは大丈夫でしょうか?」と教えてくれるようなイメージだ。また、店内にはビーコン端末が多数設置されている。これはいまいる売り場に応じたおすすめレシピを表示するために利用している。豚肉売り場の前にいるカートに対して肉じゃがを提案するといったことだ。

    おそらくだが、現時点でここに高度なAIやマーケティングが動いているわけではないが、今後データが蓄積されていくことで、そういった展開をしていくであろうことは容易に予想できる。
    スマートカートの利用者はクイックゲートを利用することができる。Amazon goとは違い、店内にあるカメラではどの商品を購入したかという情報は取得していないと思われる。そのためクイックゲートは無人ではなく有人だ。ここでは係員がカートの中の商品を目視で確認している。性善説に基づいているようだがはっきりとしたことはわからない。

    こうして取得されたデータは、取引先にも共有されるという点も極めて重要である。手にとったけれど購入に至らなかったといったようなデータも取得できているかも知れないし、もちろん電子POP的な使い方も容易に実現できる。買い物客は常に購入金額を見ているので、アイボールは常に捕捉できているわけで、強力な媒体になり得るのである。それもまさに買い場そのもので、である。
    「ただ流すだけ」のサイネージの時代はここでも終焉に向かっていくことを感じた。(Y.E.)

  • 「ニューノーマル」とデジタルサイネージ

    「ニューノーマル」とデジタルサイネージ

    昨年には予期もしなかった夏を迎えている。そしてしばらくは、いやもしかしたらもっと長く、ウィズズコロナは続く。そんな「ニューノーマル」の時代のデジタルサイネージを考えてみた。
    これまで、デジタルサイネージの、特に広告的価値の源泉は、街の人たちの視線をどれだけ多く集められるか、であった。しかし、その前提が大きく揺るがされている今、デジタルサイネージには、別の役割が求められている。
    その1つが、三密を避けソーシャルディスタンスを保つための「断密サイネージ」である。スーパーなどの小売店舗で、三密(密閉・密集・密接)になりがちな場所をより安全に利用するために、店頭のデジタルサイネージや、連動するスマホアプリで混雑状況を配信し、来店客と従業員の感染リスクを軽減することを目的としている。詳しくはDSC Express Vol.024をご覧いただきたいが、人が集まらないようにする、あるいは集まっていないことを知らせるデジタルサイネージとは、極めて逆説的で、これまではなかなか想像しなかった利用方法である。
    それでもやむを得ず人が集まるような施設においては、手指消毒とともに、検温が行われる場合が多い。その検温を、非接触型のスピード温度検知システムで行うことのできるディスプレイも登場している。
    販売代理を行う株式会社INNOVA GLOBALによると、今後、クリニック、教育機関、公共施設など、やむを得ず人が集まるような場所への導入をめざし、省力化と室内の感染リスクの軽減を同時に実現し、安心の見える化に貢献していきたいとのことである。
    「ニューノーマル」のもう一つの要素として意識しなければならないのが、豪雨、台風、地震などの被害への備えだ。
    そうした観点で、昨年来、渋谷区、山梨県、神戸市、福岡市などのさまざまな自治体と防災協定を積極的に締結しているのが、スマホ用モバイルバッテリーのシェアサービスと、バッテリーチャージ用の筐体に付属したデジタルサイネージを運営する株式会社INFORICHだ。
    防災協定を締結した自治体においては、市役所や体育館などの公共施設にデジタルサイネージ付きのチャージスポットを設置し、災害時には、災害情報やライフライン情報を流し、被災者がスマートフォンなどへの充電を無料で行えるようにする。

    また、アプリによる貸し出しと返却というモバイルバッテリーの利用形態は、実はトレーサビリティという観点でも有効だ。コロナの接触確認にも使える可能性がある。チャージスポットのデジタルサイネージで、情報提供や啓発活動が可能であることを考えると、災害対応とウィズコロナという両面での「ニューノーマル」に適応する新たなインフラになる可能性もあるのではないか。(M.I)

  • デジタルサイネージ
    NEWS解説

    明るく高コントラストの「空中ディスプレイ」、マクセルが開発 感染症予防に 記事元:ITmedia NEWS 7月29日

    マクセルホールディングスは7月27日、映像が空中に現れ、触れるように操作する空中ディスプレイ「AFID」(Advanced Floating Image Display)を発表した。明るく高コントラストの映像を表示し、タブレット端末並みの精度で操作できるという。感染症予防に有効な非接触型インタフェースとして2021年に市場投入する。マクセルでは21年の市場投入に先立ち、年内に市場調査を行う。また開発中の3D映像表示技術と組み合わせ、デジタルサイネージや車内映像表示システムとしての市場も開拓するとしている。

    「感染症予防」が今や最高のキラーフレーズだということを、日々実感する。
    「手で触れなくても何か操作できる」という機能自体は、もうずいぶん前からいろいろなところで(主にイベントなどで)目にしたし、おおむね実用レベルの技術になっていたし、事例もあった。2009年にNICT(情報通信研究機構)から出たリリース「空中映像を操作できるフローティングタッチディスプレイを開発」を読むと、それから10年以上もたった2020年にはあちこちで実用化されていても良さそうだが、現実にはそうなってはいない。
    新しい技術、特に新しいUIが本当の意味で実用化されるためには、多くの人達が「そうであってほしい」と思ってくれる必要があるし、最初はすごくこなれていなくても(例えばちょっとくらい上手く行かないことがあっても)期待を持って暖かく育ててくれる必要がある。
    その点、「触れて操作すること」が、悪しきもののように言われる今、「触れずに操作できるディスプレイ」は、ついに広く実用化されるのではないだろうか。そのことによって、社会のあまたのストレスが少しでも減るのなら、技術の進化の意味はあると思う。(Y.K.)

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