DSC EXPRESS
Vol.024

DSC EXPRESS Vol.024をお届けします。
毎月15日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

  • AIで買い物客と従業員の命を守る「断密サイネージ」

    AIで買い物客と従業員の命を守る「断密サイネージ」

    新型コロナウイルス感染拡大に伴い、ステイホームが浸透する一方で、生活インフラであるスーパーなどの小売店では買い物客が増えている。これらの店舗では、混雑時には従業員が店内に人が入りすぎないように案内するなどの取り組みを行っているが、こうした状況は従業員に高い感染リスクとストレスを強いる可能性があり、今後は訴訟が起こりうるかもしれない。
    こうした状況下で、(株)ビズライト・テクノロジーはスーパーマーケットなどを運営する宍倉(株)の協力のもと、小売店舗での三密(密閉・密集・密接)を防ぐため混雑状況をディスプレイに表示して、入店者数を制御するデジタルサイネージシステムの提供を5月7日から開始した。
    「断密サイネージ」は、スーパー、役所、ATMなどでの入場規制にかかる手間と感染リスクから従業員を守ることが第一の目的だ。センシングテクノロジーとしては顔認識と骨格推定を利用したエッジAIと、アウトプット先としてのデジタルサイネージと、表示コンテンツ切り替えのための物理スイッチやスマートフォンからのワンタッチ更新、さら同じ情報をWEBで公開することで、来店前に自宅からスマートフォンで事前に混雑状況を知ることができる。
    加えて平常時には、来店者属性と販売データを紐付けた売上向上と、品出しなどの業務の効率化を目指し、お客様の利便性と、従業員の安心安全の向上を同時に目指すという。これらは大量の資金を必要とすることなく、十分実現することができる。導入の第一弾として、宍倉が運営しているスーパーマーケット「フードランド レオ 誉田店(千葉市緑区)」で開始された。

    このようにデジタルサイネージは、もっと社会に対して貢献することができるはずだ。こうした取り組みによって、スーパーの現場で働く人達が少しでも安心していただき、私たちの生活を支えてもらいたいと願うばかりだ。

  • アフターコロナで生き残るためには

    アフターコロナで生き残るためには

    毎日アフターコロナについて考えない時はない。
    ロックダウンにより世界中で経済活動が止まり、再開されてもその影響下からの復活は数年いや10年以上かかるかもしれない。
    日本では緊急事態宣言により外出自粛を要請され、今後限定的な解除や規制の繰り返しが予想されるが、まずすべての産業でこの2020年の第1第2四半期の売上を取り戻そうと市場は供給過剰になりデフレになるであろう。その後2021年には景気低迷のまま、助成金などで過剰に供給された、またデフレで投資先を失った貨幣がだぶつき、インフレが起きるためスタグフレーション状態になる最悪のシナリオが予測される。それが世界で同様なことが起こり、まさに世界恐慌になる。
    しかし止まって死ぬのを待つわけにはいかない。まずは、生き残りをかけてデフレ下での販売戦略を考えるのだ。デフレに負けない、どう付加価値をつけて売るかだ。
    コロナ禍でリモートワークによる社員間のWEB会議が日々行われてきた。これによりモニター越しに会話をすることは日常化され、オフィスでのディスプレイ需要、ネットワーク化されたオフィスサイネージの利用が見込める。
    また最近はテレビ画面の中の、さらにディスプレイの中にいる出演者に目や耳を傾けていることに違和感を感じなくなってきた。そこで、同様に店頭や店舗内での告知や案内にディスプレイの中の人が語りかける。できる限りリアルタイムで行えば訴求力は大きく期待できる。そのシステムを動かすためにユーザーフレンドリーな仕組みと扱いやすいUIも不可欠である。
    いろんな所にヒントはある。逆境のときこそ諦めない者にチャンスがみえる。
    あらたなコラボレーションも会わずに実現できる機会を得た今、いろんな視点で考察し、手を取り合い、果敢にチャレンジしていこうではないか。(H.I.)

  • デジタルサイネージ
    NEWS解説

    新宿駅最大級のデジタルサイネージ!京王線新宿駅の改札内に広告用LEDビジョン「新宿K-DGキングウォール」を設置します 記事元:PRTIMES 4月23日

    京王電鉄株式会社と京王グループの株式会社京王エージェンシーでは、京王線新宿駅の改札内上部に、LED仕様のデジタルサイネージ(通称「新宿K-DGキングウォール」)を設置し、6月1日(月)から広告放映を開始します。「新宿K-DGキングウォール」は、京王線新宿駅の改札内上部の西口改札側に1面、百貨店口改札側に1面の合計2面に設置します。LEDビジョンは、横幅約15m×高さ約1.5mで新宿駅最大級の大きさであるほか、高画質なメディア放映が可能な画素ピッチ4mmを採用しています。

    昨年の7月に小田急新宿駅西口の「カメラ付きサイネージ」の記事をピックアップした。今回の京王線新宿駅は、横幅がより大きい。大型LEDと言えば昨年12月には大阪の御堂筋線梅田駅に40m×4mという超大型のウメダメトロビジョンも稼働した。すっかり街の顔と言えるだろう。
    大型LEDサイネージは、たいへん華やかな媒体である。街のイメージを決めてしまう。きっと行き交う人々の気持ちも決めてしまう。ここには、勢いのあるクライアントの渾身のクリエイティブが放映されなくてはならない・・。
    だが今、日本は緊急事態宣言まっただ中である。街は人通りがすっかり減り、広告の出稿も減った。今週のウメダメトロビジョンはとうとう有料広告の出稿が無くなって、流れているのはイメージムービーだ。Jタウンネット(4月26日)には「びっくりするほどディストピア」―コロナで広告が消えた梅田の地下通路が不気味すぎる・・という記事が掲載されているのだが、自粛要請メッセージだけだけが全面表示されている縦型サイネージの静かに林立する地下街の写真は、まるで違う街のようだ。
    もちろん、デジタルサイネージの役割はこんなときも多岐にわたる。私たちは、従来からそれをざっくり「広告」「販売促進」「情報提供」「エンターテインメント」に分類してきた。
    そのうち「情報提供」は、例えば、総務省が3月から当コンソーシアムに「新型コロナウイルス感染症に関する情報の配信要請」https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_02000295.htmlとして、会員向けの動画提供を行っている。「販売促進」としては、スーパーなどでの感染拡大を防ぐツールとしてセンサーと連動したデジタルサイネージがいくつか出てきている。「エンターテインメント」については、これから「リモート」が重要なキーワードになるにあたってデジタルサイネージの果たす役割は大きくなるだろう。
    そして、「広告」だ。これまでデジタルサイネージの進化をいろいろな意味で牽引し、育ててきてくれた「広告」は、もしかすると、そのあり方を少し考え直すことになるのかもしれない。街の顔である大型LEDには、「広告」を主軸にしながら、その他の役割も取り入れて街を元気に賢くする役割を担ってほしいと思う。(Y.K.)

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