DSC EXPRESS
Vol.007

DSC EXPRESS Vol.007をお届けします。
毎月1日・15日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

  • デジタルサイネージ
    TODAY

    Digital Signage EXPO 2018で改めて感じた危機感と使命とは

    Digital Signage EXPO 2018で改めて感じた
    危機感と使命とは

    毎年この時期にラスベガスで開催されるDSE(Digital Signage EXPO)に今年も参加してきた。たぶん11年連続ではないかと思う。今年のトピックは、今まで以上に主催者側がリテールやIoTやAI、さらにはeスポーツもテーマに巻き込んで行こうという熱意は感じるのだが、今ひとつ空回りをしている感が否めない。
    理由は2つあって、一つはこれらの領域は1月のCESが増殖していて完全にそちらに飲み込まれているということ、もう一つはアメリカのデジタルサイネージ業界のレベルの低さである。こんなことを書くと怒られそうだが事実なので仕方がない。アメリカの業界関係者は、広告、販促、ホスピタリティ以外のデジタルサイネージへの関心が低すぎるのである。意識ある人々は、サイネージとは違う場所からサイネージ的なことをやっているのだ。具体名は出さないが、いくつかの日本企業の現地法人は、日本の本社と比較すると明らかに物売りのことしか考えていないことが話せばすぐに露呈してしまう。
    偉そうなことを書いているが、では日本はどうか。少なくともDSEを反面教師として我々はさら先に進む必要があり、そのための最適な方法をDSJやDSCは提示し続ける使命がある。(Y.E.)

  • デジタルサイネージ
    TOMORROW

    自動車とデジタルサイネージの結ぶ未来

    自動車とデジタルサイネージの結ぶ未来

    今回は自動車とサイネージにスポットを当ててみたい。AIやIoTという言葉が登場して久しいが、日本の主要産業である自動車に於いてもこれらを活用した未来の姿が徐々に明らかになっている。
    自動車はこの先どう進化するのか。いよいよ未来の車はサイネージで満たされる空間となるのだ。それも現在搭載されているナビのようなサイズでは無く、窓ガラス一面といった巨大なもの。分かりやすい例はトヨタの「e-Palette」や今年のCES2019でパナソニックが発表した「SPACe_C」等が挙げられるだろう。車内を丸々小規模な店舗や移動オフィスとしたり観光や診療車としても活用できるとの事だが、どちらも車体側面もしくはキャビンスペースに大きなディスプレイが搭載されており、ここに店舗広告やプロモーション動画・緊急速報等の放映が出来れば、車はさながら街中を移動するサイネージともなり得る。詳細は割愛するが、気になる方は是非検索してみて頂きたい。
    未来の自動車はもはや単なる移動体から、移動全体をサービスと捉えた「MaaS(Mobility-as-a-Service)」としての意義を強め、我々の生活スタイルを大きく変えることだろう。普及のカギは自動運転技術の向上・信頼性、コネクティッドカーへのインフラ整備といった部分が大きいとは思うが、着実に歩みを進める自動車は、AI/IoT社会の中でも大きな柱として新たなマーケットを切り拓くのでは無いだろうか。筆者自身も車好きな人間として、今後の動向に是非注目していきたい。(K.S.)

  • デジタルサイネージ
    NEWS解説

    食堂や展望室でも、都庁火災・防災訓練 記事元:リスク対策.com 2019年2月14日

    東京都は14日、新宿区の都庁で総合自衛消防・防災訓練を実施した。火災対応訓練には職員とテナント業者の約2000人、地震対応訓練には全職員とテナント業者の約2万5000人が参加。一般の利用も多い食堂での出火や、外国人観光客に人気の展望室での地震対応などの訓練を行った。地震対応では英語でも緊急地震速報を流し、パナソニック製多言語翻訳機「メガホンヤク」のほか、デジタルサイネージを用いて外国人も見るだけで避難先がわかるような工夫も行った。

    デジタルサイネージに期待される大きな役割の1つが、災害発生時の情報表示や避難誘導である。
    自宅や職場や学校での災害対策はもちろん大事だけれど、いつ、どこで災害に出会うかわからない。それは外出先の街角や商業施設、地下鉄の駅かもしれない。もしくはこのニュースに登場する都庁の展望室で、東京の街を見下ろしているときかもしれないのだ。そして、そこは内外の観光客でいっぱいである。想像してみてほしい、そんなときに、タイムリーで正確な情報が、みんなにわかるように表示されたら、どれほど頼もしいことか。
    デジタルサイネージのメディアとしての特徴として、表示内容を切り替えられること、設置されている場所にふさわしいコンテンツを表示できることがある。例えば、「16:23に地震発生」「新宿は震度6」「今、展望室にいる人は落ち着いてその場にとどまるのが一番安全」これらを、日本語だけでなく何カ国語かで表示することができる。
    だが、何の準備もなく自動的にこういうことができるわけではない。電源確保に始まって、日常の内容から非常時用への切り替え方法、その場所に応じた最新情報の入手先や入手方法、誰にも見やすくわかりやすい表示の仕方・・・などを、きちんと設計して実装する必要がある。そして、そのような災害対応のできるデジタルサイネージの設置場所を周知しなければならないし、一般の人が参加する訓練を行って検証することも必要だ。
    準備は進みつつあるけれど、まだこれからの部分も多い。急がなければならない。(Y.K)

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