DSC EXPRESS
Vol.004
DSC EXPRESS Vol.004をお届けします。
毎月1日・15日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。
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デジタルサイネージ
TODAY
近未来のデジタルサイネージのいま
街なかで見かけるモニターをデジタルサイネージと呼び、早10年余り、当時10年後の未来では街を歩けば周りはデジタルサイネージだらけのはずだった。確かに都内の主要な駅や隣接施設では、柱ごとに並ぶディスプレイが当たり前の風景となってきている。その間を抜けて歩くとひょっとしたらマイノリティ・リポートのような世界が展開されるのではないかと錯覚させられる。
2002年公開の「マイノリティ・リポート」は、全米の専門家や学者によって近未来に実現されるであろうテクノロジーのアイデアを集め2054年の未来を描いた作品だ。自動運転車、音声認識の家電など様々なテクノロジーはまさに待たずして実現するIoT、AI、AR/VRの世界である。そのなかで登場したデジタルサイネージは、画面の中の店員が顧客に話しかけ、個人にパーソナライズした広告が次々に提供された。今やマイノリティ・リポートの世界は実現されており導入事例もある。
一方、駅を出て路面店や商業施設に行くとPOPに最適と言われたデジタルサイネージの利用はまだ少なく、6万店を超えるコンビニでもPOPは未だに紙である。今後デジタルサイネージのさらなる拡大の一翼は、店舗で紙に変わる利用ができるようになるかにかかっている。いかに負担が少なく現場に即したダイレクトに伝わるコンテンツ更新ができればいい。物流の削減や、人材不足を解決する効率化など社会問題の解決も加わればなお良いと考える。
近未来の実現より、ちょっと立ち止まり周りを見渡せば本当のニーズが見えてくる。しかし、それを解決するのはきっとAIやIoTであることもまた間違いない。(H.I)
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デジタルサイネージ
TOMORROW
やはりキーワードは
「リアルタイム」
~DSCオープンラボセミナー
第1回開催~
DSC主催のオープンラボセミナー第1回(参加費無料)が2019年1月22日(火)に慶應義塾大学で開催された。本セミナーでは「デジタルサイネージは新領域へ」をテーマとして「IoT」や「AI」とサイネージの連携事例の紹介や登壇者によるパネルディスカッションが行われ、200名を越える参加者でこのテーマへの興味の高さをうかがわせた。
主なプログラムは以下のとおりである。
○「そのとき、その人、その場所に」Dynamic DOOHのパワー/㈱電通 神内一郎氏
○「楽天発・デジタルサイネージ・ソリューション」/楽天㈱ 益子宗氏
○「IoT/AIによって実現する"空いているか1秒でわかる"デジタルサイネージ」/㈱バカン 河野剛進氏
https://digital-signage.jp/event/openlab/dsc_openlab_vol01/
神内氏は昨今、話題となっているDDOOH(ダイナミック・デジタルOOH)について国内外でのサイネージを活用した展開事例、益子氏はAIを活用したインタラクティブな事例や態度変容のトリガーとしてのサイネージ活用事例、河野氏は様々な施設の空き情報をカメラ等のセンサーで可視化するサイネージの事例等、それぞれ紹介があった。キーワードは何れも「リアルタイム」なデータを「パーソナライズ」していかにアイキャッチや集客等のニーズに応えるかということ。既成概念にとらわらない新たなサイネージの活用について、様々なアプローチが実感できる内容であった。
最後に上記各氏とDSC江口常務理事を加えたディスカッションでは、IoTやAI連携では、様々なセンサーを通じて得られたデータの分析(クリーニング)が重要であることや、特に今後、益々増加が予想されるセンサー等の設置やデータ取得について、ガイドライン策定の重要性が課題であること等が話題となった。
DSCでは今後も適宜、タイムリーなテーマを設定したセミナーを開催予定である。是非、ご注目をいただきたい。(T.Y)
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デジタルサイネージ
NEWS解説
AI映像解析のフューチャースタンダード、顔認識技術を活用したサイネージの視聴効果計測サービス「SCORER for Signage」をリリース! 記事元:PR TIMES 2019年2月5日
この、SCORER for Signageは、後付けでUSBカメラと小型の専用端末をサイネージへ設置するだけで、画像解析による顔認識技術によって、サイネージ閲覧した人の性別・年齢別の視聴数が計測でき、ダッシュボードで効果を確認できるサービスです。また、セットトップボックスと連携させることで、性別・年齢別のターゲティング広告も可能にします。
デジタルサイネージに携わる者にとって、クライアントから「デジタルサイネージの導入効果」について尋ねられることが多いと思う。デジタルサイネージの設置可否での売上データで判断されるケースもある。確かに一つの指針にはなるが、それが本当にデジタルサイネージを導入した効果なのかは一概には判断がつきかねにくい。商品が魅力的だったのか、売れる時期だったのか売上を伸張させた要因は多々あるからだ。
そういった意味で、デジタルサイネージの視聴数、属性情報を可視化できることは大変興味深いことである。少なくとも設置したデジタルサイネージがどれ位の人、どういった属性の人との接点となっているか把握することにより、設置場所やコンテンツ内容など今後に生かせることが可能となり、よりブラッシュアップしていくことができる。
冒頭に戻るが、デジタルサイネージを導入すれば売上が上がるかどうか尋ねられるが、あくまでそれを実現するための様々な要素の中の一つのツールと見るべきであり、単に導入するだけではなく、それを生かす取り組みを重ねなければ有効的に活用できず、宝の持ち腐れになってしまうことを肝に銘じておきたい。(H.F.)
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