設置場所と演出の幅が広がる透過型デジタルサイネージ
多くの設置事例が増えているLEDパネルに、透過型のLEDパネルが加わり進化が加速している。
株式会社Delight Globalは株式会社竹中土木と共同で、透過型LEDフィルムディスプレイ「透彩(Tou-Sai)」(商標出願中)を開発し、非発光時の値となるが、発光体間隔:4㎜で透過率が84%のフィルムタイプの透過型LEDパネルを発表した。驚きなのが4㎜ピッチLEDパネルにも関わらず、後ろに添えている手を見て頂けれお分かりいただけるように、フィルムにはほぼLED素子しか見えない様な印象で、本来見えてもおかしくない素子を結ぶはずのプリント回路すらほぼ見えないような仕上がりとなっている。
引用:株式会社Delight Globalのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000061832.html
この透過型LEDパネルを点灯させたときの写真でも分かる通り、LED不点灯部分は、ほぼ後ろの背景が透けて見えるのが分かる。
従来のSMD形式で製造された透過型フィルムLEDパネルでは、上記のチップを4つ搭載したパッケージ基盤単位で透過フィルムに実装していたため基盤が不透明で透過性が損なわれていた所を、このLEDパネルは、Petフィルムと呼ばれる強度や耐熱性に優れたフィルムの上面に銅配線を施し、それぞれのLEDチップおよびディスプレイドライバICをCOB形式でPetフィルム上に直接実装していて、COB形式を採用することでパッケージ基盤を省略し、不透明部分の面積を従来のSMD形式の4分の1以下に抑え、かつ発光体は配置間隔を狭めることで透過率および解像度を劇的に改善したとの事だ。
現在一般的なLEDパネルの設置事例としては壁面を中心に検討されている事が一般的だが、「デジタルサイネージアワード2023」で、三井不動産株式会社とピーディーシー株式会社が優秀賞を受賞した東京ミッドタウン八重洲に導入した「FILM LEDソリューション」の様に、ガラス面等を活用したデジタルサイネージの開発・設置の幅を大きく広げ、透過型サイネージの持つ演出の潜在能力の幅を大きく拡大させ、デジタルサイネージのクリエイティブの進化に大きく貢献すると考えられる。
この様に透明度がとても高いフィルムタイプの透過型LEDパネルがどんどん市場に供給されていき、耐久性や仕様の幅がもっと広がる事で、設置場所やコスト等の導入の敷居が低くなり、デジタルサイネージを取り巻く環境に良い刺激となる事を期待してやまない。
(N.Y)