DSC EXPRESS
Vol.115

DSC EXPRESS Vol.115をお届けします。
毎月5日、15日、25日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

  • 3Dの進化と共存するデジタルサイネージ

    引用:株式会社パス・コミュニケーションズ

    3Dの進化と共存するデジタルサイネージ

    新宿の猫や梅田のうどんちゃんにみられるように、3Dのデジタルサイネージでの活用は広がってきた。

     平面のLEDパネルでも3D表現は可能だが、L字や湾曲に設置されたLEDパネルを「箱の様に扱う」ことにより、立体的な映像を演出することができる様になる。

     デジタルサイネージのLEDパネルのディスプレイ表示領域を、視認者の立ち位置として設定した地点から見たと想定し、LEDパネル表示面の座標を立方体として再計算、表示部分に余白を持たせる映像を制作する事で、画面からはみ出しているように見せる映像技術だ。人の視覚の錯覚を利用する事で裸眼であっても立体感のある映像を見せることが出来る様になるのだ。
     VRのようなメガネを装着せずとも目の前に3D映像を出現させる事ができる演出手法は、デジタルサイネージの様な多くの人の目に触れる様なロケーションで強みを発揮する。

     この様な裸眼立体視は、広告としての活用も進んできているが制作費用が高くこともあり、企業活用が中心となって事例や実績が積み重ねられている。
     この技術を一般化するために既に技術開発を進めているのがGoogleだ。
     Googleはオンラインコミュニケーションシステム「Project Starline」をコロナ禍の真っ只中にある2021年5月に発表した。

     Project Starlineは、裸眼で遠く離れた人があたかも自分自身の前に存在しているかの様な錯覚を起こさせる技術で、モニターの前にいる人と離れた場所に暮らす人とを繋ぐ、SFで出てくるような高度なテレビ電話の様な技術だ。私たちが現在利用しているLINEやTeams、Zoomでの会議に慣れた人でも驚くような技術である。

     裸眼立体視と呼ばれる技術は、3Dモニターを隔てることにより、遠く離れて会話する人が目の前に実在するような立体映像をリアルタイムに創出してくれる技術だ。
     この技術がコミュニケーションツールだけでなく、デジタルサイネージで応用され、すそ野が広がり普及すれば、まち中のデジタルサイネージの映像が2D→3D化された映像世界へと進化できるのではないかと、開発されてゆく技術やデバイスの仕様の進化を妄想しワクワクしてしまう。
    (N.Y)

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