DSC EXPRESS
Vol.023

DSC EXPRESS Vol.023をお届けします。
毎月15日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

  • 武蔵野美術大学とMUJIのコラボ店舗のサイネージ

    武蔵野美術大学とMUJIのコラボ店舗のサイネージ

    武蔵野美術大学の無印良品が協業店舗を開設している。場所は市ヶ谷駅近くの市ヶ谷キャンパスだ。ここの3面サイネージがコンテンツを考える上で参考になるので報告しておく。
    正面エントランスの右側にMUJIの入口がある。店舗としては通常のMUJIと同じような物販とカフェに加えて、講義やオープンキャンパスなどにも利用されている。カフェは学食としても機能しているようだ。店舗側のエントランス右側の壁面に84インチのLCDが3面設置されている。
    この設置を現場で見ると、ショーウインドウのように感じられる。それぞれのディスプレイの解像度が2Kなのが残念ではある。人物の大きさもだいたい等身大で、実際にディスプレイの向こうにリアルな店舗があるように見える。しかし詰めが甘くて非常に残念な点がある。例えば下の写真。せっかくリアルなショーウインドウのような空間演出をしているのに、時々中央のディプレイにインサートカットが入ってくるのだ。

    もう一つ、解像度に加えて、各ディスプレイの画角が微妙に合っていない。背景とか繋ぎ目をじっくり見るとおわかりいただけると思う。ディスプレイとディスプレイの間隔部分の処理も甘い。おそらく使っているレンズも異なっているように見える。これらを3カメできっちり合わせるのはそれなりに大変なので、4Kカメラ1台で撮影して切り取ったほうが画質は落ちるだろうが楽だと思う。

    他にどういうコンテンツがあるのかを確認できていないが、ショーウインドウ的な演出であるときはそれに徹するべきではないだろうか。ムサビとMUJIのコラボであるので、この3面サイネージでも3面の良さを徹底的に追求してもらいたい。(Y.E.)

  • テレワークにも活用されるAI

    テレワークにも活用されるAI

    テレワークを実施している方々であれば、自宅のPC等からWEB会議(テレビ会議、ビデオ会議)に出席する機会も増えたのではないだろうか。会議システムへのニーズが高まり、そうした記事をよく見かけるようになっている。
    少し調べてみると、AIエンジンをうまく組み合わせより利便性を高めた新たなサービスが続々と提供されていた。
    上に載せた画像は、時空テクノロジーズが開発したWEB会議サービス「Vmeets」というものだ。自らをアバター化して会議に参加できることも面白いが、同社の「Logmeets」という文字おこしサービスを使えば、AIを使って会議中の音声をテキストデータに変換することができ、議事録を作成する手間を省くことができる。
    また、「Krisp」というアプリは5万人の音声および2万種類のノイズを計2500時間分AIに学習させることで、会議中の「ノイズ」を軽減させるようにする。一般的なノイズキャンセル機能の仕組みとは一線を画す技術だ。
    会社での指定もあるとは思うが、新たなサービスの裏側には様々なAI技術が搭載されており、WEB会議ひとつをとっても環境や用途によって選択肢が広がっている。
    テレワークに於いて市場競争が激しい米国にも負けないサービスが、日本からもさらに生まれていくことが期待される。
    さらに、我々もこうしたサービスを積極的に活用することで、個人個人の働き方に対する見方を考え直すきっかけにもなり、ピンチをチャンスに変える新たなビジネスも生まれてくるのではないだろうか。業務への制限に囚われがちだが、新たな可能性を模索していくためにも、まずは色々と試してみるのもいいかもしれない。
    WEB会議に慣れない筆者は、自宅というだけで仕事でないところまで気にしてしまう日々だが、これに慣れ、有意義なテレワーク期間を過ごしたいものである。(K.S.)

  • デジタルサイネージ
    NEWS解説

    「スマートバス停」全国展開へ 西鉄など開発、身近な情報発信施設に 福岡 記事元:産経新聞 3月21日

    西日本鉄道子会社の西鉄エム・テック(福岡市)と通信機器開発の「YE DIGITAL」(ワイ・イー・デジタル、北九州市)が、液晶パネルなどを活用し、時刻表やバス臨時案内を遠隔配信する「スマートバス停」の全国展開を目指している。両社が開発したバス停は、遠隔操作で表示内容を更新し、バス会社共通の課題である時刻表の張り替えなどの作業負担を軽減する。災害時の情報提供も可能で、導入が広がれば、未来のバス停は情報発信拠点に変わるかもしれない。

    屋上や外壁サインへのデジタルサイネージ導入が急速に進んでいる昨今であるが、道路エリアでのサイネージ展開は道路法・屋外広告条例等、様々な規制がありハードルが高かった。しかしリアルタイムな運行情報の提供を始め、多言語化によるインバウント対応、地域情報の発信、大規模災害時の情報提供等々、公共交通機関に求められるニーズはますます高まっている。
    西日本鉄道子会社の西鉄エム・テックと通信機器開発の「YE DIGITAL」(ワイ・イー・デジタル)は、液晶パネルなどを活用し、時刻表やバス臨時案内を遠隔配信する「スマートバス停」の設置を福岡エリアからスタート、全国展開を目指している。省力化の観点からも重要な取り組みである。
    またパナソニックと東京電力パワーグリッドも臨海副都心エリア等で歩道上にある既設の配電地上機器の上部を活用したサイネージ「ストリートサイネージ」による地域情報発信の実験を推進している。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003761.000003442.html
    一方、屋外におけるサイネージの運用は熱対策、直射日光を考慮した高輝度化、粉塵対策等、どうしても高コストになりがちである。稼働の安定性を維持しながらデバイスや筐体設計の工夫でいかにローコスト化を進められるか、また規制緩和を経て広告展開によるマネタイズが実現できるかが当面の課題であると思う。
    引き続き、ロードサイドにおけるサイネージの展開は注目すべきトレンドであると言える。(T.Y.)

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