日時: 2008年10月1日
場所: 慶応大学三田キャンパス
第14回勉強会お疲れ様でした。今回もたくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございます。
今回は、新生システム部会(旧配信部会)より、「標準システムガイドライン」の会員内公開の報告がありました。日本初のデジタルサイネージ向けガイドラインの一般公開が予定されております。
また、今後のシステム部会の活動方針についての報告があり、サイネージの分類化や、リファレンスモデルの構築などを行っていきます。
指標部会では「指標ガイドライン」の公開準備の報告がありました。サイネージの媒体価値を示し、広告ビジネスの発展に寄与するものです。
新たに発足したプロダクション部会からは、10月14日に第1回のミーティングの案内が、ロケーション部会からは鉄道事業者やデベロッパー等の参加を促し、モデルタウン構想や実証実験フィールドの企画が示されました。
ゲストプレゼンテーションでは株式会社NEXX由利様、JASRAC小島様にご講演いただきました。
NEXX様からは「台湾デジタルサイネージメーカーからの視点と標準化活動」として、ディスプレイ市場の伸びが期待される局面において、プレイヤーが多いデジタルサイネージでは標準化が重要であることを国際的な視点でご説明していただきました。
世界的に広告市場の伸びが低迷する中、北米では屋外広告市場が2006年実績で10億ドルあり、2011年には26億ドルになると予想されており、デジタルサイネージを利用した屋外広告への支出が期待されていることや。中国では屋外広告企業によるIPOが盛んになっていることをご説明いただきました。
しかしながら、さらなる成長のためにはコンテンツやネットワークの標準化が必要であり、アーリーアダプターからのシャズム(※)を乗り越えなければ限界がある、とのことです。
※新技術が浸透するために乗り越えるべき溝のこと
オープンプロセスによって溝を乗り越えることが必要であり、国際的にも標準化の大きな動きがあり、2008年2月のDigital Signage Expoにて関係各業界によるイニシャティブ「POPAI(Point of Purchase Advertising International)」が始まりました。DSCとしても活動に注目、コミットしていく必要があります。
JASRAC小島様からは、「デジタルサイネージにおける音楽著作権処理に関する考え方」として、着メロやその他コンテンツ配信ビジネスの事例をご紹介いただきながら、屋外広告での権利処理の現状、デジタルサイネージの場合の著作権関連の各種「権利」についてご解説いただきました。
著作権処理の観点から着メロビジネスはJASRACの許諾をオンラインで処理するのみでよかった点、携帯電話での課金システムがユーザーに受け入れられたことにより急成長しましたが、2004年に1000億円市場に達した後、2008年ではその他のコンテンツ配信ビジネスの台頭により、100億円規模となりました。
インターネットCMでは基本的に広告主が権利処理(使用料支払)をしますが、いろいろなロケーションがある屋外広告では媒体者であったり、広告主、運営者など主体がバラバラである現状のようです。
デジタルサイネージでは、「公衆送信権(アップロード)」「複製権(蓄積)」「演奏権」などの権利が考えられますが、複雑な処理形態では市場の発展は望めず、JARACとしても「メディア毎」「包括」「集約」という観点でデジタルサイネージの権利処理モデルの確立にご協力いただけるとのことでした。
・JASRAC様資料「デジタル・サイネージ市場への展開」>>こちら・議事録>>こちら