DSC EXPRESS
Vol.214

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  • 2026年のデジタルサイネージビジネス潮流 ―― 注目は「リテールメディア」「プログラマティック」「新時代の効果計測」

    2026年のデジタルサイネージビジネス潮流 ――
    注目は「リテールメディア」「プログラマティック」
    「新時代の効果計測」

    年頭にあたり、2026年のデジタルサイネージビジネスの潮流について予測してみたい。
    デジタルサイネージは技術が派手なほど注目される。大型LED、裸眼3D、インタラクティブ――。しかし事業の成否を分けるポイントはそこにあるのだろうか。
    その視点を踏まえ、2026年のビジネス潮流は次の3つに代表されると予測する。
    1) リテールメディア(店舗内サイネージ)の本格マネタイズ化
    2) DOOHのプログラマティック運用が加速
    3) 効果測定 新時代(インプレッションから行動変容計測へ)

     


    予測1:リテールメディアとしてのサイネージのマネタイズが加速する


     
     2026年の最重要トレンドは、店舗内サイネージが“コスト”から“収益”へと役割を変えることだ。

     店内は購買直前のタッチポイントであり、広告主にとって「最後のひと押し」が効く場所である。こうした価値がいよいよ事業として顕在化していく。

     この流れを象徴する動きとして、電通はリテールメディアの開発・活用に取り組む専門組織「リテールマーケティング局」を2026年1月1日付で新設すると発表した。[1] 人材を結集し、リテール向けには「リテールメディアの開発・運用支援」を、広告クライアント向けには「顧客体験設計・統合プランニング・PDCA支援」を同一組織で提供するという。

     またサイバーエージェントは小売DX視点でリテールメディア開発の支援をおこなっている。[2]

     ファミリーマートは2026年明けたばかりの今月、デジタルサイネージでの配信動画と、店舗駐車場や店内イートインを活用したリアル体験を組み合わせた新しいリテールメディアを発表した。[3]

     アプリやECサイト、データ基盤などと広く包括されるリテールメディアであるが、その中で店舗内サイネージは重要な位置を占めることになる。

     広告主側は「店内面を前提にした販促設計」を求め、リテール側ではサイネージのマネタイズが現実味を帯びる。2026年はこの両輪が噛み合い加速する年になる。

     
     視点:リテールとメーカーの間に立ち、プラットフォーム運用(設計/集稿/運用/測定/差し替え)をおこなうプレイヤーが必要になる

     
    [1] https://www.dentsu.co.jp/news/release/2025/1114-010966.html
    [2] https://www.cyberagent.co.jp/service/dx/retaildx
    [3] https://www.family.co.jp/company/news_releases/2026/20260119_01.html

     


    予測2:DOOHのプログラマティック運用が加速


     
     2025年、国内DOOHのプログラマティック化は「予約型をリプレイスする」より、「予約型の上に運用型を重ねる」形で進んだ。DSPから買付できる駅在庫が公開され[4]、空港領域でも取り組みが発表され[5]、エキナカ小売のサイネージがプログラマティック配信を開始した。[6]

     2026年、DOOHのプログラマティック化は「予約型を置き換える革命」ではなく「予約型を崩さずに運用型を上乗せする拡張」として普及が進む。

     DSP経由で買える在庫が増え、運用型案件や条件連動(時間帯・天候・周辺イベント等)の配信が現実的になる一方、広告主のPDCAが回りやすい媒体へ出稿が集まり、在庫枠を“売り切るための追加エンジン”として普及してくる。

     
     視点:パブリックスペースである以上、広告内容の説明責任(透明性・ブランドセーフティ)が前提条件になる。

     
    [4] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000035203.html
    [5] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000006641.html
    [6] https://www.jeki.co.jp/info/detail/?id=1472

     


    予測3:効果測定、新時代へ――インプレッションから行動変容計測へ


     
     2025年、DOOHの主たるプレイヤーが集まった(一社)日本OOHメジャメント協会が立ち上がり、効果測定も新しいフェーズ入った。[7][8]

     2026年、リテールメディアの普及とプログラマティック運用の加速に伴い、効果測定の進化もまた加速する。

     インプレッション計測さえ難しかったOOH広告において、ターゲットインプレッション計測、さらにその先の来店・購買・行動変容の計測など“人を動かした度合い”へ関心が移る。

     広告主側では、運用型出稿が増えるほど広告投資の妥当性を社内外に説明する必要が強まり、セリングサイドも測定設計とレポーティングまで含めた提案が求められるようになる。

     
     視点:行動変容計測の広告集稿へのコスト効果

     
    [7] https://www.joaa.jp/
    [8] https://www.videor.co.jp/digestplus/article/media251215.html

     

     
     結び:2026年は、「この先の話」とされてきた「リテールメディア」「プログラマティック」「新時代の効果計測」が、構想や実験の域を超えて大きく普及していく年になるのではないか。

     年明け早々の妄言のようであるが、今年もまた新しい未来は着々と近づいてきている。

    (K.K.)

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