デジタルサイネージの少し先の未来
~これから創られる新しい駅や街のはなし~
いよいよ来春に迫った「EXPO 2025 大阪・関西万博」では、会場最寄り駅として開業予定の大阪メトロ夢洲(ゆめしま)駅の近未来的なデザインと巨大なサイネージが先ごろ公開されてニュースを賑わせました。今号では夢洲駅をはじめ、現在進行中の将来のエリア開発計画に目を向けてみましょう。
大阪メトロ中央線を延伸して万博最寄り駅として2025年1月19日(日)に開業予定の夢洲駅では「駅構内では国内最大級」のLEDビデオウォール「夢洲ビジョン(仮称)」が設置される。ビデオウォールは2019年に東急渋谷駅の「ビッグサイネージプレミアム(H2m×W25m)」として駅構内に初めて登場、同年に大阪メトロ梅田駅でギネスブックにも登録された「Umeda Arch Vision(H4m×W40m)」、2021年にJR東日本新宿駅の「新宿ウォール456(H1.7m×W45.6m)」と大型化が進み、イマーシブな空間で広告ジャック展開を可能にする「インパクトメディア」として、何れも人気媒体となっている。今回の「夢洲LEDビジョン(仮称)」は上記の各事例を上回るH3m×W55mのサイズで改札内コンコース壁面に設置予定で、新たなサイネージのランドマークになるだろう。この空間で万博来場者向けにどのようなクリエイティブやメッセージが展開されるか、そしてSNSでその熱量がいかに拡散されるか、今から非常に楽しみだ。万博会場内やその周辺にも最新のテクノロジーを駆使した様々なサイネージが設置されるはずであり、昨年、デジタルサイネージアワードを受賞したJR西日本大阪駅うめきた地下ホームの先進事例とあわせて是非、チェックしてみたい。
来春の万博開催の他にも多くのエリアで開発構想が発表されている。JR山手線の各駅周辺エリアを見ても、来年3月27日に街びらきが決まった高輪ゲートウェイシティや、隣接する「世界貿易センタービル」の建て替えに合わせて2026年から順次竣工する浜松町駅エリアの整備計画、長期間にわたって工事が続いている渋谷駅周辺の再開発計画も2027年度には中心となる駅舎部分が竣工予定だ。
さらに新宿駅周辺という広大なエリアを一体的に再開発する「新宿グランドターミナル構想」も関係する事業者が共同で推進しており、2028年頃から順次その幕を開ける。また品川駅周辺エリアの街づくり構想も2030年に向けて発表されている。
これから次々に誕生する駅や街の景観にサイネージがどのように取り入れられていくか、その機能と進化はどのように活かされていくのか、期待しつつ注目したい。
(T.Y.)