鉄道デジタルサイネージを活用したアルコール飲料の広告事例
今年の3月から4月にかけて鉄道車内や駅構内で展開していた、アルコール飲料の広告事例をピックアップしてみたい。
RTD飲料の市場も拡大し、売り場でも新しい商品をよく目にするが、3月、4月は新商品の発売や季節のキャンペーンなどがあり、アルコール飲料の広告が多く見られる。移動手段である鉄道の車内及び駅構内においても、他のメディアと同様にアルコール飲料の広告が多く見られる。今回は、中づりや駅ポスターなどのアナログの広告媒体と一緒に、デジタルサイネージを活用した広告事例を幾つか紹介したい。
■ビール系
4月15日に、アサヒビールがスタンダードビールとして7年ぶりに発売した新ブランド「アサヒ ザ・ビタリスト」の広告では、真田広之をはじめとする俳優陣がＣＭキャラクターを務める。車両広告の中づり広告やドア横ポスター、駅のシートやポスター広告の他、駅の大型デジタルサイネージや縦型のデジタルサイネージなどでCM放映があった。「キリンビール 晴れ風」は、昨年より「晴れ風ACTION」を実施しているが、写真を撮るだけで桜を守ことにつながる「晴れ風ACTION 桜AIカメラ」を開発し、3月17日にリリース。中づり広告、ドア横ポスター、ステッカー広告、駅のシートやポスター広告の他、車両デジタルサイネージ、駅の大型デジタルサイネージや縦型のデジタルサイネージなどでCM放映があった。同じくキリンビールは「キリン一番搾り」ブランドからの新しい白ビールとして、「キリン一番搾り ホワイトビール」を4月15日に発売。中づり広告、ドア横ポスター、駅のシート広告の他、車両デジタルサイネージ、駅の縦型のデジタルサイネージなどでCM放映があった。
■ウイスキー系
ウイスキー系ではサントリーの広告が特に目立った。香取慎吾などがCMキャラクターを務めるサントリーの「ジムビーム“JIMハイ”」の広告では、中づり広告の他、駅の大型デジタルサイネージや縦型のデジタルサイネージなどでCM放映があった。４月22日に発売したサントリーの「トリスハイボール缶やわらか」の広告では、駅の縦型のデジタルサイネージを中心に放映があった。松田龍平と石橋静河がCMキャラクターを務め、“海薫るハイボールで、会いましょう。”のキャッチコピーが印象的な「サントリーワールドウイスキー碧Ａｏ」の広告では、駅ポスター広告と、駅の大型デジタルサイネージなどでCM放映があった。
■シャンパン系
ラグジュアリー感が溢れるシャンパンのCMが、デジタルサイネージを中心に放映された。「サントリー ローラン・ペリエ ロゼ」「MHDモエヘネシーディアジオ モエ・エ・シャンドン」のCMは駅の縦型のデジタルサイネージなどで放映。「エンジェルジャパン エンジェルシャンパンエッグ」のCMは車両デジタルサイネージの他、タクシーサイネージでも放映があった。ラグジュアリー感を表現するのにデジタルサイネージはマッチするようである。
■その他アルコール飲料
ビール好きに向けた新提案として4月1日に発売されたサントリーの「ザ・ピール」、ふたを開栓するとレモンスライスが浮き上がってくるアサヒビールの「未来のレモンサワー」、吉瀬美智子と西川貴教がＣＭキャラクターを務める同じくアサヒビールの「ジノン」、4月22日に“梅＆レモンスパークリング”を期間限定で発売したキリンビールのALC.3％低アルコール飲料「華よい」、ブランド史上初となる味の進化を含めフルリニューアルしたコカ・コーラシステムの「檸檬堂」といった広告が、車両や駅構内のアナログ媒体とデジタルサイネージを多用しながら展開していた。
以上、デジタルサイネージを活用したアルコール飲料の広告事例を幾つか紹介したが、その他の多くのアルコール飲料の広告が、アナログ媒体、デジタルサイネージ問わず鉄道車内や駅構内に溢れていた。
アルコール飲料の広告は、デジタルの良さとアナログの良さを両立させ、認知獲得と興味喚起をうまく引き出している印象だ。特にデジタルによる広告表現は商品の持つ世界観をダイレクトに伝え、認知だけでなく興味喚起を引き出すことに大きく寄与しているように思われる。
これからの暑い季節に向け、今後も様々なアルコール飲料の広告が掲出されると思うが、デジタルサイネージをうまく活用した広告展開に注目していきたい。
（K.S.）