DSC EXPRESS
Vol.183

DSC EXPRESS Vol.183をお届けします。
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  • 渋谷駅西口広場のデジタルサイネージに期待する

    渋谷駅西口の2025年2月の状況(筆者撮影・合成)

    渋谷駅西口広場のデジタルサイネージに期待する

    渋谷駅まわりの複雑怪奇な歩行者動線が、あいかわらず改善されない。デジタルサイネージ(DS)による案内も無い。しかし、西口方面は、ちょっと魅力的な空間かもしれない。

     工事中の渋谷駅西口広場の真ん中辺りで歩行者デッキが途中で切れているところがある。そこからは、最新のサクラステージから、むき出しになった山手線ホーム、そして、大画面のDSが立ち並ぶハチ公前広場~宮益坂方面が良く見える。このJR渋谷駅西口、井の頭線渋谷駅のあるマークシティ、羽田行等のバスターミナルとの歩行者動線は複雑な3次元の迷路となっており、事前の予告や案内も無いまま、ある日突然、ルートを変える。

     最近は、ストリームとサクラステージの間に、新南改札が地味にオープンして意外と便利なのだが、今のところ、渋谷駅構内ホームを通らないと辿り着けない。構外周辺からも、246+首都高という巨大な壁に阻まれて、どうやって行けばよいのか分り難い。サクラステージの人気の無さも頷ける。

     メタバースで宝探しゲームを開催するとか、せっかく、ストリームにGoogleがいるので、毎日とは言わないが頻度高く、渋谷のGoogleマップ詳細版を、できれば、カメラ映像をふんだんに使って提供してくれるとか、もっと楽しませてくれると良いのだが。

     さて、はたして、この空間の最終形はどうなっているのだろう。写真の現場には、2027年に渋谷スクランブルスクエア中央棟・西棟が開業する予定だ。これが、JR渋谷駅上のメインビルディングになる。現在、途中で切れている「渋谷フクラス接続デッキ」は、当然、そこに繋がっているのではないかと期待するが、その完成図はいまいちよく見えない。

     246とJRとの交差部分の東口と西口の「国道デッキ」と呼ばれている構造体の詳細も良く分からない。現在のスクランブルスクエアとストリームの間にある246上のデッキは、旧東横線駅をモチーフに作られているが、JRホームの屋根と微妙な高低差で、とても、まともに繋がるようには見えない。ひょっとして、スムーズにつながる凄いテクニックを使うのか?また、ハチ公広場や西口交通広場は、どんな感じに仕上がるのか?そして、銀座線から井の頭線への歩行者動線はどんな快適空間として提供されるのか?

     宮益坂上のヒカリエの入り口から銀座線渋谷駅ホームの屋根の上を通って、井の頭線渋谷駅に行けるようになる!と、東急関係者には教えてもらったが、週に何回も近くを歩き回る筆者には、具体的なイメージが湧かない。(DSC EXPRESS Vol.170写真参照)

     いろいろな疑問が、増える一方なのに2025年になった。JR渋谷駅のメインビルディング開業まで2年だが、未だ、東急や東急不動産のサイトでは、大まかな紹介資料がPDFで提供されているに過ぎず、そのPDFを4K画面で、一生懸命拡大して見てみても、どうにも良く分からないのである。

     これだけ、注目するには理由がある。西口の交通広場はDSの見せ場としてシンボリックな空間になると期待しているからだ。明治通りのような幹線が通っていない事もあるが、比較的、広々としており、井の頭線への歩行者デッキ等で2分されるものの、ハチ公前広場に面するDSもビルの屋上が多いので見通しが良く、南側に参戦できる状態だ。バスやタクシー、送迎車の利用者、また、銀座線から井の頭線への移動途中でデッキ上で滞留する人々など、空間メディアとしては、かなり人目を惹くはずだ。ボイドな空間を、いろいろな画面が囲むので、今のところBluetoothは混信が酷くて使えないが、5G等次世代ワイヤレス技術を使えば演出の可能性は多彩だ。

     事業者間の調整が難しいだろうが、まちづくり会社等にぜひ活躍してほしいところだ。いくつか、関連の事業主体も設立されているものの、実効的活動はまだできていないと察するが、そんな中で、「2021年8月、「TAP」はプログラムからプラットフォームへ。」と銘打って頑張っている「東急アライアンスプラットフォーム」にも大いに期待したい。

    (N.S.)

    文中で参照した関連サイト
    渋谷再開発情報サイト|東急株式会社
    広域渋谷圏(Greater SHIBUYA)のまちづくり|都市開発|都市事業|東急不動産
    東急アライアンスプラットフォーム | TAP

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