新宿2029
新宿駅の小田急百貨店が2024年初めに完全に解体され、直下の西口地下の一部通路は白い仮囲いに囲まれて、何も無くなっている。この状態が2029年まで続くのだろうか。
新宿駅といえば、デジタルサイネージのメッカの1つ。東口の「新宿東口の猫」、東西自由通路の「新宿ウォール456」をはじめ、JR東日本、小田急電鉄、京王電鉄、東京メトロ、東京都などが、それぞれ特徴的なサイネージを設置している。
さて、この春、JR新宿駅に直結していた小田急百貨店が解体され、本格的な再開発が開始された。ここ数年のバスタ新宿の開業や自由通路の開通など、数々のエポックメイキングなできごとを経た今、地上の景色が大きく変わるという意味で、最大級のインパクトだと思う。新しい百貨店+駅ビルの開業を楽しみにしよう。
それに伴い、今、ひっそりと日々「工事中感」で一杯なのが、JR新宿駅西口から~丸の内線新宿駅西口周辺の地下エリアである。このあたりは、ダンジョン新宿駅の中でも微妙な上級者エリアで、南口エリアへの案内表示が無く、ここで京王『新』線新宿駅(新国立劇場最寄りの初台駅ヘ行くため)や新宿バスタへの道順を尋ねられると、「ご一緒に行きましょう」と言いたくなる。(何回か、ご一緒に行きました。)
それが今は、さらに、通路の壁=工事仮囲いの外側になり、「壁にもたれないでください(倒れるから)」、「→小田急百貨店は(あちら方向の)ハルクで営業中」、「このエレベーターの場所はここ(付近図)」などの掲示がベタベタと貼られ、天井の照明が少なくて薄暗く通路の向こうが見通せない。極めつけが、「仮囲い拡幅に伴い通路が狭くなります。2024年6月22日~2029年予定」という掲示が、そこここに貼られていることだ。
2029年まであと5年!それまで、ずっとこのままなのだろうか。
「たしか、ここには、移動式の道案内デジタルサイネージが置かれていたはず」と思われる場所は、置き場所が無くなってしまった。道案内の表示内容が変化する珍しいサイネージで、「そのうち、表示内容が変わるのかな」と思っていたのに。もちろん、もたれてはいけない仮囲いには、デジタルサイネージは設置されておらず、サイネージが付いていた柱は、どこにあったのかもわからなくなった。
筆者は、この夏から始まった仕事の関係で、毎朝夕、ここを通って通勤している。2029年まで元気に通勤できるのだろうか。丸の内線から降り立ったインバウンドのお客様は迷子にならないだろうか。せめて、近年、工事現場で見かけるようなサイネージは、設置できないものか・・と、日々思いながら、そして少し期待しながら通勤中なのである。
(Y.K.)