今後に注目。
那覇の国際通りの98面のデジタルサイネージ
那覇の国際通りに98面のデジタルサイネージが登場。変圧器と電柱を利用した独自のデザインで、広告やニュースを表示。観光地の景観に新たな彩りを添える一方、維持管理や効果の持続性が課題となる可能性も。
那覇の国際通りに98面のデジタルサイネージ「那覇国際通りストリートビジョン」が導入された。事業主体は沖縄振興エリアマネジメント推進共同体運営事務局で、沖縄電力、那覇市国際通り商店街振興組合連合会、琉球新報社で構成されている。
国際通りは約1.6キロメートルの観光スポットで、多くの店舗が立ち並ぶ。強い日差しと雨風に晒される環境下で、49台のパワーグリッドビジョンと49台のスカイキューブビジョンが設置された。
パワーグリッドビジョンは変圧器部分を利用し、L字型のLEDディスプレイで構成されている。スカイキューブビジョンは電柱に吊り下げられた立方体型のディスプレイである。両者とも歩行者からの視認性を考慮した設計となっている。
コンテンツは広告、公共PR、ニュース、天気予報などが表示されている。クリエイティブはL字面を活用したものと16:9比率のものが混在している。
課題としては、ディスプレイ間の同期が取れていないこと、運用開始後1ヶ月未満で複数箇所に表示の不具合が発生していることが挙げられる。また、カメラによるセンシングの詳細情報の提供が不明確である。
このデジタルサイネージの導入により、国際通りはさらに情報量の多い空間となった。しかし、その効果や適切さについては評価が分かれる可能性がある。
本事業は内閣府の「沖縄振興特定事業推進費」を活用しているが、公的資金が途絶えた後の維持継続が課題となる可能性がある。年間823万人もの観光客が訪れる国際通りにおいて、このデジタルサイネージの長期的な運用と効果が注目される。
広告主の評価、過酷な環境下でのハードウェアの耐久性、運用体制の継続性など、様々な観点から今後の展開が注目される媒体である。
(Y.E.)