DSC EXPRESS
Vol.152

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  • エキナカでしか見ることができないデジタルサイネージ

    エキナカでしか見ることができないデジタルサイネージ

    世界一の乗降客が行きかう新宿駅。その中でも最も客数が多いと言われるJR新宿駅南口のコンコースで、この4月、新しい大型デジタルサイネージが放映を開始した。サイズはH約3.2m×W約5.7mで、「公共のエリア屋内で眼の前」に展開される媒体としては今のところ最大級。同一フロアの柱巻き媒体、天井下の帯状媒体とセットで「イマーシブなメディア空間」を構成するというアナウンスとなっている。

     新宿駅南口は、甲州街道に面し、関東地方に台風が近づくとJR南口改札の遠景が必ずニュースに登場するので、テレビでご覧になったこともあるかもしれない。写真のコンコースはその改札の中である。中央の「BOX」とネーミングされた3面媒体は、写真右下を通行されている方と比較するとサイズ感がわかりやすい。従来からある構造物を囲むように上手に設置されており、電車利用者の往来を妨げないような、改札からかなり離れた奥まったエリアにある。筆者が利用している山手線や隣を走る総武緩行線のホームと改札を結ぶ線からは遠い。だが、オレンジ色の番線案内が映りこんでいる8番線は、中央線快速のお茶の水・新宿方面行きで、決して辺鄙なエリアではない。高尾方面に行くホームも近い。いろいろ微妙というか絶妙というか、な位置なので、ご興味があれば、入場料150円を投資してみてください。

     さて、ここに、イマーシブを体感できるクリエイティブが続々投入されるようになったら、同じく新宿駅の東西自由通路のように新たな名所になるのだろうか。東西自由通路は、できたばかりの頃は、それまでは無かったルートだったので、思ったほどインパクトが無いような私感だったのだが、今や壁面サイネージのクリエイティブによっては若者や海外からのお客様が群衆になっている。そしてJR駅構内という安全感もあって、若者達がほんのり楽しそうに見える。

     ここ、南口コンコースで、本当にイマーシブ空間が体験できるなら、一瞬でも幸せになれるエキナカになってほしい、そういうクリエイティブが出てきてほしい、と、つい思ってしまうのである。ここでアリスのウサギに出会ってから、旅に出るとか、いかがでしょうか。

     ※ちなみに、成田エクスプレスが発車する5,6番線は、このコンコースからは直接行くことができません。5,6番線に行くには「新南口」が便利になって、そちらには海外からのお客様がぐっと増えた印象です。(デジタルサイネージとは直接関係ありませんが。)

    (Y.K)

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