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Vol.147

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  • デジタルサイネージ市場は、回復期から再び成長軌道に乗った

    図1.デジタルサイネージの国内市場(2023年見込、2024年以降予測)

    デジタルサイネージ市場は、回復期から再び
    成長軌道に乗った

    コロナ禍で縮小していたサイネージ市場も、2022年には回復、2027年には対2023年(見込)比
    148.4%となると予想している。特にどの分野・需要先(ロケーション)にビジネスチャンスがあるか?業界関係者の事業展開に参考になる内容を一部紹介する。

     図1のようにデジタルサイネージの国内市場規模は、関連するどのビジネス分野でも2025年の大阪・関西万博に向けた設備投資の活性化による影響もあり、2027年まで大きく伸びることが予想されている。特に大きいのが対2023年(見込)比186.2%とする広告ビジネス市場だ。これまで牽引してきた交通系DOOH広告は、鉄道車両メディアの回復は遅れているが、駅構内、屋外の大型ビジョン、タクシー車両・エレベーターサイネージが好調に推移。ターゲティングメディアとしての展開に加え、大手リテールチェーンによる広告活用が増加しているインストアメディアも好調予想だ。今後は、人流の増加に加え、配信プラットフォーム、アドネットワークによる他媒体との連携による媒体価値の上昇、相乗効果が期待される。

     システム販売/構築市場も好調な予想だが、特に過半数を占める大型サイネージが引き続き市場を牽引。挟ピッチ化と同時に低価格化が進むLEDは、屋外に加えて屋内での導入が加速する予想だ。

     配信システム市場も増加予想だ。リモートワークの浸透とクラウド型サービスの低価格化により、配信非対応のスタンドアロン型は新規導入での際に選択されるケースは減少。2022年には、配信対応のサイネージが過半数を占めることになった。この傾向は続くと思われる。

     コンテンツ制作では、簡易なテンプレートを使ったり、テキストベースでユーザーが自前制作したりするケースもあるが、動画で訴求したいユーザーでは外部委託するケースが増えていく予想だ。

    図2.デジタルサイネージの分野別・ロケーション別有望度 高←◎○△→低

     図2は、それぞれの分野で、どの需要先(ロケーション)が有望(ビジネスチャンス)であるかを予想したものだ。注目は、どの分野でも有望度が高い小売店舗・商業施設だろう。ユーザー数が圧倒的に多く、まだまだ潜在需要は大きく、その伸び代は大きいとしているからだ。店頭、店外窓面、店舗内などで来店誘導や販促のほか、施設内でのインフォメーションおよび演出用途で導入されるケースが中心だ。広告ビジネスは、交通機関が引き続き牽引するだろうが、小売店舗・商業施設でも、一部広告枠としての活用も広がっていく予想だ。インストアの店舗系では、サイネージ需要は高く、同時に多店舗におけるコンテンツの管理や制御などのニーズも高まっており、トータルで最も期待されるロケーションと言えるだろう。

     このように、デジタルサイネージ市場は、回復期から再び成長軌道に乗りそうだ。マーケット調査会社の調査・分析結果、予想を一部紹介したが、本格的にサイネージビジネスに取り組むなら体系的にまとめた詳細を知っておくことも必要だろう。デジタルサイネージコンソーシアムでも、タイムリーにトピックスとなる情報を発信していく。(K.Y)

    ※(株)富士キメラ総研「デジタルサイネージ市場総調査2023」を参考に一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアムが作成

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