DSC EXPRESS
Vol.106

DSC EXPRESS Vol.106をお届けします。
毎月5日、15日、25日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

  • 多岐の進化を遂げるデジタルサイネージの本質とは

    引用:プレスリリース
    https://www.ntt-east.co.jp/miyagi/information/detail/pdf/20221121_01.pdf

    多岐の進化を遂げる
    デジタルサイネージの本質とは

    最新技術によりどんなに進化しても、デジタルサイネージにとって大事なことは何か、その先にあるものは何か。デジタルサイネージ業界2年目の私が考えてみると新たな発見が・・・

     3年ぶりの行動制限のない年末年始、久しい友人と過ごした人も多いのではないだろうか。
     新卒入社2年目の私は、懐かしい友人たちと会うと、何の仕事をしているか尋ねられる。「デジタルサイネージ」と答えると友人らはほとんどが首を傾けハテナを浮かべる。私は店内のデジタルサイネージに指を差して「あれ」と説明を終わらせてしまった。
     街中にはデジタルサイネージがこんなに溢れていながらも友人らが認知していないことに違和感を覚えた私は、これを職としている者の責務として多種多様な進化を遂げるデジタルサイネージの本質を考えてみることにした。

     

     いつの間にかデジタルサイネージに囲まれた環境で生活している私たちだが、それをデジタルサイネージと呼ぶことを殆どの者は知らない。その存在は知られ生活に彩りを与えているにも関わらず、名前を知られていないとは、まるで弁当に入っている緑色のギザギザのようである。
     そもそもデジタルサイネージとは一体、何なのであろうか。これを抽象的な扱いのままにしていては、きっと周知されないままであろう。
     電子看板とも呼ばれていたデジタルサイネージも、今や広告を動かすだけでなくHTML5の導入でマクドナルドを筆頭に多くの飲食店で番号呼び出しをおこなったり、最近ではタッチパネル型や非接触の画面操作を目的とした赤外線センサーの導入など、ここ数年でもその進化は多岐にわたり私達の日常に浸透してきた。

     

     突然だがスーパーのデジタルサイネージでチラシ広告を表示していることを想像してほしい。アイス売り場でお買い得な豚バラ肉を見て心が動くだろうか。アイス売り場ではやっぱり季節限定のおすすめアイスを訴求した方がいいのは明らかだ。デジタルサイネージは単に情報を流すだけでなく、どんな人が見るのかターゲットを明確化しない限り真価は発揮できない。逆を言えば、設置場所が限定できるからこそ見る人の思考や潜在意識を考え、適切な情報を発信できる。進化するデジタルサイネージだが「見るひとを思う」という根底が常であり、それこそが最大の特徴である。

     

     また、コロナ禍をきっかけに冷凍食品の自動販売機をよく見かけるようになり、新たな販路が拡大しつつある。仙台には、自販機に組み込まれたカメラで利用客の特徴・情報を取得・分析し、分析結果をもとに利用客に応じて商品を入れ替え、時間帯ごとにサイネージに表示するコンテンツを最適化する冷凍自販機が実験的に設置されたとのこと。AIの導入や新たな技術を導入しデジタルサイネージはより独自の進化を遂げ新たな利用のポジションを確立する。しかし、たとえAIなどの導入によりコンテンツが自動表示されたとしても、デジタルサイネージは「ひとに寄り添い、ひとを想う」。ひととのつながりが重要で永遠であることは確かである。

     

     これで私は友人に、いま、あのディスプレイを見ているあなたがどう思ってどんな行動を起こすかを考え実現させることが自分の仕事だと堂々と説明するだろう。自分のなかでクリアになり、常に見るひと視点でひとの心を動かす仕事ができることにわくわくが止まらない。
    最後に私から、この記事を ”見ていただいたひとを思って” 皆さんが欲している情報をお伝えしよう。弁当に入っている緑色のギザギザの名前は「バラン」である。(K.Y.)

Copyright c Digital Signage Consortium. All Rights Reserved.