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Vol.090

DSC EXPRESS Vol.090をお届けします。
毎月5日、15日、25日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

  • アートをサイネージで見せるギャラリー

    アートをサイネージで見せるギャラリー

    これまで現物ありきだった展示物が、新たな形を見せ始めた。

     街を歩いていると、ギャラリースペースに出会うことがある。

     展示を見る事が好きなので、興味が湧いたらふらっと入るのだが、絵画・写真・造形などの違いはあれど、当たり前だが展示物は現物である。しかし、その当たり前を変えたのが、8月19日に東京渋谷区 富ヶ谷でプレオープンする「NOX」というギャラリーだ。
     参考:上記画像
     引用:https://noxgallery.art/

     冒頭の画像や上記公式サイトをご覧いただければお分かりのように、展示作品が全てデジタルサイネージによって放映されている。NFTアートと呼ばれる作品であるが故なのだ。

     NFT(Non Fungible Token=非代替性トークン)は、複製や改竄で資産価値の付与が難しかったデジタルデータを、ブロックチェーン上で偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデータとして発行し価値を付与したものだ。デジタルデータはアート作品のみならず、例えばTwitterのツイート等も対象になる(2021年にはTwitter創業者のジャック・ドーシー氏の出品した同氏の初ツイートが約3億円で落札された)。つまり「NOX」がデジタルサイネージで展示するアートも、NFTによってそれぞれ価値を付与した唯一の作品ということになる。

      今回注目したいのは、そのNFTアートがギャラリースペースというリアルの場に展示されることだ。小さなアイコンから3Dに至るまで様々な種類の作品があるこれらNFTアートは、流通はオンライン上で完結するため、今回のような取り組みはOMOの観点から見ても面白い事例になるだろう。欧米ではこうしたNFTギャラリーはすでに現れ始めているらしく、今後NFTの認知が広がっていくにつれてより浸透していくのではないだろうか。

     デジタルサイネージの新しい可能性に触れる機会として、今回ご紹介した「NOX」には是非伺ってみたい。(K.S.)

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