DSC EXPRESS
Vol.079

DSC EXPRESS Vol.079をお届けします。
毎月5日、15日、25日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。

  • 見られる場所はどこにある?サイネージと設置環境におけるユーザー心理との関係性▲【写真1】地下通路新設デジタルサイネージ

    大阪梅田エリアの再開発とデジタルサイネージ

    近年JR大阪駅および各線梅田駅周辺の大阪梅田エリアにおいて、各所で工事が行われていることは、このエリアに来られた方であればご存知であろう。これらは2024年のうめきたエリア2期まちびらきおよび2025年の大阪・関西万博の開催を主ターゲットとして行われている再開発に関連する工事であり、2022年度は梅田1丁目地区の地下エリアの整備がほぼ完了し、うめきた新駅が開業する。今回はこの2つのプロジェクトについて、主にデジタルサイネージ活用の観点から紹介したい。

     1.梅田1丁目地区再開発
     JR大阪駅南側から、大阪駅前第1~第4ビルにかけてのエリア再開発であり、地下・地上が互いの特性を活かしながら、大阪の玄関口に相応しい、利便性・快適性・安全性の高いエリアを形成することを大目標に官民連携の上実施されている。2021年9月に大阪市により都市再生整備計画が策定され、道路占有許可の特例により地下通路に広告板の設置が認められることとなった。この取り組みの一環としてデジタルサイネージが多数設置され、現在運用開始を待つ状況となっている【写真1】。
     このデジタルサイネージの運営管理は、大阪市建設局の公募により選定された道路占有者である「一般社団法人梅田1丁目エリアマネジメント」が行うことになっている。この団体はこのエリアの関係事業者である阪急電鉄、阪神電気鉄道、JR西日本、大阪メトロおよび大阪地下街から構成されているが、所在地は阪急阪神不動産内に置かれているため、実質的に阪急阪神グループ主導で管理運営が行われる。ただし団体の構成員にも一定の出稿権が付与されることも想定されるため、どのようなデジタルサイネージのロール構成になるのか、興味深いところである。このデジタルサイネージには災害時に広告から災害情報に自動切替する機能も備えられるとのことなので、全体でどのような放映内容になるのか、今から楽しみである。

     2.うめきた(大阪)新駅開業
     主に特急「はるか」「くろしお」が通過する梅田連絡線は現在地下化工事が進められており、2023年春に完成する予定である。地下化にあわせ大阪駅の北西側にうめきた新駅が新設され、数多くの新しい取り組みが展開される予定である。なお、この新駅については大阪駅の一部となるため、一般的にうめきた(大阪)新駅と表記されるようになっている。
     この新駅の最大の売り物は、フルスクリーンホームドアである。新駅には様々なドア数の車両が停車するため、ホームドアがドア位置にあわせて移動する画期的なシステムで、世界初の導入とのことである。このフルスクリーンホームドアにデジタルサイネージが設置され、列車情報を主体に様々な情報提供が行われる予定である【図1】。

    ▲【図1】うめきた(大阪)新駅フルスクリーンホームドアイメージ図 ※3/16付JR西日本ニュースリリースより抜粋
     また新駅はイノベーションの実験場「JR WEST LABO」とも名付けられ、様々な新しい取り組みが展開されることになっている。デジタルサイネージ関連だけでもサイン類のデジタル化や、デジタル技術を活用したインタラクティブな空間づくりのツールとして活用される予定である。デジタルサイネージの仕様等については現段階では不明な点も多いが、開業が待ち遠しい新駅である。(K.T)
     ※うめきた(大阪)新駅の全体概要については、以下の本年3/16付JR西日本のニュースリリースに詳しい記載がありますので、ぜひご覧ください。
    https://www.westjr.co.jp/press/article/2022/03/page_19580.html

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