再び注目、仮想空間の世界
デバイスや通信環境の進歩によって仮想空間サービスも活用の幅を広げてきており、徐々に我々にとって身近な存在になってきている。
今年9月30日から10月3日まで開催された「東京ゲームショウ2021 オンライン」は、初のVR会場が設けられた。VRでの来場者数は21万人を超えたというから、なかなかインパクトのある数字である。
一般入場は禁止という事もこの数字に影響しているであろうが、やはりゲームというカテゴリーとの親和性は高い。VR会場では音楽系キャラクターのライブに参加できるイベントもあったようで、きっとモニター越しでは味わえない没入感があっただろう。期間中のオンライン配信番組しか見ていなかった筆者も行ってみたかった。
そこで、気になって試しにVRに関するトピックを調べてみたのだが、活用されている幅は着実に広がっていた。
VRを活用したサービスというと、旅行やアトラクションの体験、不動産の物件内覧体験など、いわゆる体験を前面に出したものという印象だったが、最近では、例えばVRの書店、VRのサイクリング、弱視の子供向けのVR治療などなど。単なるユーザー体験に終わらず、もっと踏み込んだものとなっている。「こんなことまでVRになっているのか」と驚いた。
先日、米フェイスブックが社名を「メタ」に変更し、事業の軸足をより仮想空間サービスに移していくという大きな話題もあり、VRのみならずARやMRを含めたXRに関する動きは、今後ますます激化していくのだろう。コロナ禍においてオンラインの比重が増えた中、仮想空間は我々にとってどのような存在になるのだろうか。
現実よりも仮想空間を活用した方が都合がよいという場面が確実に増えていき、より手軽に触れ合えるようになると、普段から当たり前に行き来するもう1つの世界となっていくのかもしれない。
具体的にはまだまだ想像出来ないが、それぞれの世界のメリット/デメリットを理解し、バランス良く付き合っていきたいものである。(K.S.)