小田急・新宿駅西口にデジタルサイネージ 通行者動向計測、情報発信も視野に 記事元:新宿経済新聞 6月26日
デジタルサイネージ(LEDビジョン)が小田急電鉄新宿駅西口地下コンコース外に設置され、6月18日から試験的に映像を配信している。天気や気温などの環境情報、商品販売状況など在庫情報に基づいた広告表現を可能にする機能などを搭載する。担当者は「順次IPカメラで通行する人の属性、流動などを計測する機能も備える予定。将来的には、性別や歩いている方向などを長期的に計測することで、配信内容がどのような方々に届いているかを分析したり、通行する人に提供すべき情報をよりリアルタイムに発信したりしていければ」と話す。
6月のある日にさっそく見に行った。記事内のイメージ図より、もっと近くから見上げるような立地なので、目に入ったときにぐっとインパクトを持って迫ってくる感じだ。LEDなのでベゼル(枠)で区切られることのない大画面で、視野角が広く真下に近い角度から見上げても鮮明に見える。4月に東急田園都市線渋谷駅(地下)の通路に大型LEDビジョンが設置されたのが記憶に新しいが、いずれも屋内環境(自然光ではない環境)であり、今後LEDが屋内公共空間でも増えてくるのだろうと思う。そのことによってその空間の光や色彩のバランスがどうなって行くのかに、注目していきたい。
現時点で流れているものを見ると、おおむね横16対縦9の動画を3つ並べているようだ。山手線E235系に搭載されている窓上3面での出稿ノウハウが生かされているように見える。そのうち、横幅をフルに活用したクリエイティブが増えてくるのだろうか。E235系用に3面連続の横長の動画を制作したことがあるが、3面の間には数センチの幅があり狭い車内で見るものなので、完全に連続した動画は想定しにくい。それに対して、この場所でベゼル無しのこれだけの幅があれば、どんなものが作れるだろうと想像するのも楽しみだ。
そして、このデジタルサイネージの大きな特徴は、カメラが設置され通行者属性や動線などを計測分析して、広告効果測定や配信情報の質を上げることを計画していることである。現時点では、画面枠の左下にカメラのマークがテスト中の旨とともに貼られている。設置場所は、JR新宿駅西口改札に向かう方向に正対していて桁違いに多くの人が通る。今後どのような分析がどのように生かされて行くのかも、要注目である。(Y.K.)