なぜ、“透明なLEDビジョン”を
選択する空間が増加しつつあるのか?
2024年7月8日、渋谷駅から青山へ続く渋谷駅東口エリアに複合施設「渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH)が開業した。ヒカリエ方面から渋谷アクシュへ向かうと、ビルの壁面に設置してある巨大な透過型LEDビジョンが出迎えてくれる。なぜ、透過型LEDビジョンを選ぶのか。その実態を、事例を用いて紐解いていく。
◆なぜ透過型LEDビジョンを選ぶのか?
そもそも、なぜ透過型でなければいけないのか。別に透けていなくても問題はないのではないか。そう考える人も少なくないであろう。透過型LEDビジョンは「閉塞感を軽減する」ために活用されることが多い。例えば、ショーウィンドウ一面デジタルサイネージで埋め尽くされている路面店は、外から店内の様子を伺うことができず、入店しづらく感じる人もいるだろう。そこで透過型LEDビジョンの出番である。透過型LEDビジョンをショーウィンドウに設置することで、店内の状況が伝わりやすくなると同時にコンテンツを配信し販促活動も行うことができる。まさに一石二鳥のデジタルサイネージである。
◆透過型LEDビジョンの特長
ここで、透過型LEDビジョンの主な特長を紹介する。
・閉塞感を軽減する
デジタルサイネージ設置後の閉塞感が気になる方は、ぜひ検討してみてほしい。
・多機能
「映像を視認できる」「映像の後ろを視認できる」、この2点を実現できるのは透過型LEDビジョンならではの特長である。
・電源OFF時の空間演出
通常のデジタルサイネージは電源OFF時に画面がブラックアウトし、空間によっては圧迫感を与えてしまう。透過型LEDビジョンのパネルはメッシュ状になっており、空間に余裕をもたらす。
◆透過型LEDビジョンの特長を最大限に活用した店舗
渋谷駅に存在する複合商業施設MIYASHITA PARK内の「アディダスブランドセンター RAYARD MIYASHITA PARK」では、店舗のショーウィンドウに透過型LEDビジョンを採用している。外から店内の雰囲気を感じられるほか、ブランディングムービーを配信することで来店促進を促す。また、店内ではデジタルサイネージ設置による圧迫感を感じず、快適に過ごすことができる。室内・屋外どちらからでも来店者が求める効果を発揮している。
◆「立体感」を意識した活用事例
2020年10月より、渋谷スクランブル交差点正面に位置するQFRONT屋上に設置された屋外広告「渋谷コークビジョン」も透過型LEDビジョンを活用している。
QFRONT屋上に「宙に浮かぶようなコカ・コーラ」を投影するために設置された透過型LEDビジョン。立体感のある映像コンテンツと透過型LEDビジョンの相乗効果により、まるでコーラが宙に浮かび、飛び出しているような視覚的な驚きを提供している。
数々のデジタルサイネージが彩る渋谷スクランブル交差点で「立体感」を駆使し、差別化しているユニークな活用例である。
◆まとめ
本コラムでは、透過型LEDビジョンを設置する効果と活用事例について紹介した。
あえて透過型にすることで生まれる効果を考慮し、デジタルサイネージを選定する際の1つの参考にしてみてほしい。また、今回取り上げた透過型LEDビジョンは実際に見ることができるので、渋谷に立ち寄った際にはぜひ見学してみてほしい。
(A.S.)