博多駅に登場したデジタルサイネージ
関東・関西に続き、九州でもここ最近ようやく人流が戻り始めている感覚があるが、そのような中、九州の玄関口である福岡のJR博多駅にこの5月登場した新しいデジタルサイネージを今回はご紹介したい。
ご存じの方も多いと思うが、JR博多駅は九州を代表するターミナル駅である。また2011年の九州新幹線開通を皮切りに次々と大型商業施設が誕生し、今では駅だけでなく、街としても天神と並ぶ福岡の2大都市として、その名を知られている。最近では「天神ビックバン」に「博多コネクティッド」といった再開発プロジェクトでも注目されているエリアだ。
そんな博多駅のサイネージといえば、2018年に設置されたデジタルサイネージ「FINE-VISION J」が有名で、有機ELパネルの薄さと軽さを活かした曲面構造が特徴である。このビジョンをはじめ駅構内にはいくつもデジタルサイネージが存在するが、今回ご紹介するのは「筑紫口」から出たロータリーに設置されている。そもそも博多駅は西側に「博多口」、東側に「筑紫口」があり、2つの出口は東西に伸びるコンコースで繋がっている。博多口は在来線、筑紫口は新幹線乗り場に近いというイメージだ。
コロナ禍の影響もあり当初計画よりやや遅れてのお目見えになったこのデジタルサイネージは、「博多駅筑紫口駅前広場サイネージ」といって、70インチの吊り下げ式LEDと90インチの自立式液晶ディスプレイの2種で構成されている。自立式は他でもよく見かけるが、吊り下げ式、しかも今回のような駅ロータリーといった半屋外での設置は珍しいのではないだろうか。
吊り下げ式は動線に合わせた画面配置で流動客への訴求を狙っており、輝度を調整できるセンサー付きである。これにより半屋外という立地の中、夜間や日差しの強い時でも高い視認性を確保できるということだ。また、自立式は駅構内からも視認できるインパクト大の媒体となっている。
今はおみやげ需要としての福岡銘菓や、直結している商業ビルの告知が放映されているが、元々このロータリーは観光バスやイベント時のシャトルバスの発着所としても利用されており、今後は近隣のイベント告知や出張での新幹線利用を狙った展示会告知などの需要も増えてくるかもしれない。
時を同じくしてこの4月には、ららぽーと福岡の九州初上陸や元スペースワールド跡地にジアウトレット北九州がオープンするなど、JR沿線は活気あふれるニュースで盛り上がっており、今後も福岡を牽引するこのエリアの動向に注目したい。(M.T.)