JR四国、デジタルサイネージで避難誘導=全国初、高松駅で実施 記事元:乗りものニュース 10月28日
JR四国の半井真司社長は28日の定例記者会見で、高松駅に新たに設置するデジタルサイネージの観光案内板に、全国初となる画面上の経路表示と多言語音声による避難誘導機能を持たせることを明らかにした。増加する外国人客に対する非常時の対応を改善しようと、メーカーに相談して実現した。
津波や火災など、避難が必要となる災害発生時に、避難の必要性を画面と大音量の音声で伝える。対応言語は日本語のほか英語、中国語、韓国語。高松駅には11月1日に設置する。より津波の危険性が高い高知駅などでも、すでに設置している案内板に誘導機能を追加する予定。
災害時の情報伝達にデジタルサイネージは有効なツールである。2011年の東日本大震災以降、自治体や公共施設・大規模商業施設では様々なかたちでサイネージを活用した情報伝達の仕組みが整えられつつある。DSCでも総務省等と連携しつつ、運用・システム・コンテンツの各ジャンルにおいて、デジタルサイネージの災害対応に関するガイドラインを策定・公開してきた。
ひとくちに災害情報と言っても、その分野は地震・津波・台風から火災・水害等、様々であり、その伝達ルートも地域毎のエリアメール・防災行政無線から全国の発災・避難情報をカバーするLアラート、弾道ミサイル発射情報を含む瞬時警報システムのJアラートと多岐にわたっている。現在、ゆるやかにではあるがサイネージを活用した災害情報伝達の標準化は進みつつある。
但し、現状、スマートフォンへのプッシュ通知を含めて日本国民には複数ルートでの伝達手段が整えられつつあるが、外国人への伝達手段は総じて未整備であり、災害情報の「多言語対応」は喫緊の課題となっている。
今回のJR四国の取り組みは高松駅に新設するデジタルサイネージの観光案内板に、津波発生時等に画面上の避難経路表示と「多言語音声による避難誘導機能」を持たせるもので、日本語のほか英語、中国語、韓国語で避難情報を伝達するものである。
訪日外国人を含む防災・減災情報の提供ニーズはオリ・パラ終了後も継続的に取り組むべき課題であり、この分野でのデジタルサイネージの役割が今後も拡大し、社会インフラとして定着していくことに期待したい。(T.Y.)