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DSJ2019の見所をご紹介
国内最大級のデジタルサイネージ分野の総合イベントであるデジタルサイネージジャパン(DSJ)は2008年のPreviewから数えて通算12回目の開催となる。
昨今デジタルサイネージは駅、電車や商業施設など生活導線上毎日目にすることになったと言っても大げさではない。本催しでは、展示とセミナーで最新の技術・人・モノ・情報が集い、ビジネスをより活性化していくものとなっている。
展示会は100社の出展企業が集い、最新の製品やテクノロジーを披露。今後の業界展望を予想する基調講演では、初日はデジタルサイネージの広告分野におけるトップランナーである鉄道広告関係者によるパネルセッションを実施する。2日目は、今年NTTドコモと電通が出資して設立したデジタルOOH広告の新会社であるLIVE BOARD社の代表を務める神内一郎氏が登壇。5G時代も見据えたこれからのOOHの行方について語られるだろう、注目の講演だ。
また、会期中3日間にわたって実施する専門セミナーは、デジタルサイネージ入門、サイネージシステムトレンドやディスプレイトレンドなど定点観測的に行われる定番シリーズとセンシングガイドライン、5G、道路空間での情報発信の可能性など業界の新たな潮流に関するテーマで構成される。専門セミナーの会場では毎年恒例となったデジタルサイネージアワードの表彰式も会期初日に行われる予定だ。
また、今年は「ネクストリテーリング」と題し、リテール業界における次の未来をテーマとした新企画を実施。こちらも3日間通してセミナーが実施されるので、サイネージ関係者には必聴のプログラムとなるだろう。
今年のDSJは例年同時に開催されているInterop Tokyo、Connected Media Tokyo, Location Business Japan, APPS Japanの4イベントに加えてAWS Summitも同時開催される。AI、ビッグデータ、IoTといったテクノロジーがサイネージ業界でも親和性がますます高まっていることもあり、すべてのイベントを見ていただくことがお勧めだ。(Y.O.)
DigitalSignageJapan2019
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デジタルサイネージの
課題を超えるために
同時開催の
AWSサミットにも行こう
DSJは日本最大のデジタルサイネージに特化したイベントである。2008年のゼロ回から数えると今年で12回目の開催である。その間には様々な出来事があり、デジタルサイネージを取り巻く環境も大きく変わってきた。そしてそれは更に加速をつけようとしている。広告や販促、インフォメーションと言った利用目的の違いを踏まえて、単純な枠売り広告媒体として成立するサイネージは非常に限定的な場所である音は証明されているし、販促もやはり単純にPOPとして販促映像を流すだけでは効果がでにくい、あるいは評価軸がわかりにくいのも同様である。
今後のデジタルサイネージの伸びシロがあるのはおそらく2つ。AIやIoTを駆使するものと、WEBやマスメディアとの連動も含めて、その時その場所の状況に応じてコンテンツを動的に変化させるダイナミックサイネージ(Dynamic out of Home Media DOOH)だ。
日本のDSJ以上の出展規模で開催されているラスベガスのDigital Signage Expo(DSE)においても、今年は前述の2領域の可能性と将来性がメインテーマであった。
ということが、まだまだ日本のデジタルサイネージ関係者には周知されているとは思えない。これらはむしろサイネージとは無関係の業界からの動きが遥かに活発だ。幸い今年のDSJはアマゾンのAWSサミットと同時開催される。サイネージ業界関係者はAWSサミットに注目しておく必要があるのではないだろうか。(Y.E.)
AWS Summit Tokyo
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Next Retailingのセッションは
リテール以外の領域でも必聴
今年からDSJの中で同時開催されるNext Retailing。タイトルだけ見ると次世代リテールの=小売流通以外は関係ないと思われるかもしれないが、実はそうではない。いくつかのセッションを例に挙げながら説明しよう。
「オンラインとオフラインの境界をCXで溶かす試み」はまさにこれから最も重要な視点である。そしてそれをCX(カスタマーエクスペリアンス)でマージする方法の話だ。これはおわかりのようにリテールに限った話ではない。
やはり先行例として気になる中国の最新事情を、上海から游仁信息科技(上海)有限公司の金田さんらが報告する「中国新小売最前線」と、イスラエルのリテールテックを紹介する「世界の小売市場を革新するイスラエルのRetail-tech(仮)ではリテールの話が中心だ。だがそれはQRコードが万能とか、キャッシュレス最高とか、そういうことではないことをきちんと理解するために必聴のセッションだ。
そして理屈ではなく、とにかくやってみようということで、100万円で始めるamazon goとしてスタートしたDevelopers.IO CAFEは、センシング技術だけに終止しがちな議論を、ビジネスとCXの本質論から突き詰めたプロジェクトであり、横田社長がそれを自ら語る。
また全体を総括するように、近未来の社会を見通すセッションとして、「アフターデジタル時代の人の役割、場所の役割」ではデジタルとアナログ、オンラインとオフラインの境目がなくなる時代とはどういうものなのかを解説する。街に飛び出すインターネットとしてのデジタルサイネージのさらにその先の話である。
このようにNext Retailingはサイネージにもリテールにも、技術にもシステムにも閉じない、近未来を俯瞰するための羅針盤なのである。(Y.E.)
Next Retailing