DSC EXPRESS
Vol.002
DSC EXPRESS Vol.002をお届けします。
毎月1日・15日発行です。どうぞ宜しくお願い致します。
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デジタルサイネージ
TODAY
今後も注目すべき
鉄道会社が取り組む
スタートアッププログラム
2018年12月3日(月)~9日(日)の7日間、JR東日本とJR東日本スタートアップ(株)は大宮駅西口イベントスペースにてデモンストレーションを兼ねた展示会を行った。この「 STARTUP_STATION 」と名付けられたイベントはJR東日本が2017年度から取り組んでいる「JR東日本スタートアッププログラム」の一環で、2018年度は111件の応募案件の中から18社を採択し、そのソリューションの一部を展示したものである。同会場で紹介されたテーマは以下のとおり多岐にわたる。
「デジタルサイネージを活用したダイナミックDOOHの検証」、「スマートフォンアプリとキオスク端末を利用した無人オーダーカフェ」、「AIを活用した駅や新幹線の流動予測」、「AIカメラを活用した流動調査と広告媒体の認知率調査」、「再生可能素材『LIMEX』傘を活用したエキナカ傘シェアリング事業」、「無人パーソナルスタイリング体験」etc.
鉄道会社の業務領域は運行制御・ダイヤ管理・設備メンテナンス・鉄道利用者へのインフォメーションから飲食・小売・ホテル・広告ビジネスに至るまで極めて広い範囲にわたっている。サイネージ的にはAdAsiaと連携した「ダイナミックDOOHの検証」やMotionloftと連携した「AIカメラを活用した流動調査と広告媒体の認知率調査」が注目に値する。
また本プログラムとは別に山手線内各駅では2019年3月15日までJREロボティクスステーション有限責任事業組合(LLP)が主導する「案内AI みんなで育てようプロジェクト」共同実証実験も実施されている。
鉄道会社が持っている様々な経営資源とAIやIoT等、ベンチャー企業の有する最新のアイデアや技術が融合したとき、次世代のビジネスやサービスが創出される可能性はとても大きい。デジタルサイネージ関連分野以外にも鉄道会社の今後の取り組みには引き続き注目すべきである。(T.Y)
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デジタルサイネージ
TOMORROW
人に寄り添うサイネージ
年末に帰省され高速道路のSAに寄られた方も多いと思うが、トイレの入口に個室の満空表示を目にされた方もいるのではないか。既に目新しいものではないが、トイレ内に設置されたセンサー等から接点情報を取得し、集計装置とサーバーにて各処理と表示画面の作成・更新を行うものである。最近では単に個室の満空表示をするのだけではなく、別フロアや他のトイレに誘導する情報を表示させたり、逆にセキュリティの観点より女性トイレの個室に1人しかいない場合は、満空表示をせずに別のコンテンツに切替わるなど、より、人に寄り添った取り組みが行われている。
また、セキュリティの現場では監視カメラの映像をAIを用いて解析しリアルタイムな対応を支援する取り組みが行われている。具体的には行き交う人々の中で車いすやベビーカーを押している人(属性)を検知したり、通行量や混雑状況を把握して現場対応に生かすといったものだ。これらとサイネージを融合することにより、車いすを押している方の付近の端末にはエレベーターへの案内を表示したり、ベビーカーを押している方へはベビー休憩室への案内を表示、空港の手荷物検査場であれば混雑状況によって他の検査場に誘導する表示を行うこともできる。今までは一方的に発信していた情報が、今後は、様々な技術を組み合わせることで、より人に寄り添った生きた情報発信が可能となってくるのではないか。(H.F.)
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デジタルサイネージ
NEWS解説
デジタルサイネージのコンテンツを36言語に多言語化する「Spoke for デジタルサイネージ」の提供を開始 〜ベンダーCMSにもAPI連携可能〜 記事元:ValuePress! 2018年12月14日
デジタルサイネージの表示や配信技術は、HTML5の仕様がベースとなっています。これらWEBと関連する既存のノウハウと技術を利用することにより、Spokeは、デジタルサイネージのコンテンツをわずか数時間で多言語化することを可能にします。
2018年、訪日外国人旅行者数が3000万人を突破した。観光庁では、オリンピックイヤーの2020年の訪日客目標数を4000万人としている。
これを受けて、訪日外国人旅行者がストレスなく、快適に観光を満喫できる環境整備といったインバウンド施策が進められる中、同庁では、19年度に「デジタルプロモーションの強化やスマートフォンを活用した旅行環境の整備」を重視する取り組みのひとつとして挙げている。デジタルサイネージの領域に於いては、コンテンツの多言語化は1つのテーマとなりそうだ。
既知の通り、デジタルサイネージの多言語化対応は近年実施されている取り組みであり、街中や駅構内等にあるサイネージでは、多言語化された案内情報等が整備されつつあるが、今後、まずはインフォメーションコンテンツにおいて多言語化は求められるだろう。
しかし、多言語化を実現する為には手間とコストの負担が課題であり、設置場所やコンテンツの内容によっては、多言語化を実施するか否かの判断に大きく影響しているのが実情である。
今回挙げたサービスは、使い方によって工数やコストを大幅に削減できる可能性がある。大きな特徴は、使用するコンテンツがHTMLで制作されたものであれば、多言語版のHTMLを自動生成してくれる点にある。また、コストは上がるがネイティブによる翻訳も選択できる上、CMSにもAPI連携可能と汎用性の高さも謳われている。コンテンツによっては、前述の課題を軽減してくれるのではと、大きな期待を胸に問い合わせをしてしまいそうだ。(K.S)
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